ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
 06‐4963‐3098 
 樋口誠

葡萄品種

2012年12月22日 03時06分23秒 | ワインの事

ワインには沢山の葡萄品種があります。

数えきれないでしょうね。

しかし、沢山と思っていたら、アレとコレとソレは同じ品種だったってことも少なくありません。

例えば、ネッビオーロ、スパンナ、キアヴェンナスカ等は同じ葡萄の異呼称。ゲヴルツトラミネールはサヴァニアンロゼとも言います。シラーはオーストラリアではシラーズ、なんて皆さん知ってますよね。

さて、では呼び方が違うだけで品種が同じなら、同じ様なワインが出来るかと言えば違います。

シラーとシラーズは明らかに違います。

酸、アルコール、樽風味などなど、大きく異なります。

何故か?

まずは気候が違いますし、土壌も違います。

生産者の目指すものも違います。栽培方法、収穫時期も違います。

第一同じ品種でもクローンが違ってるかもしれません。更には台木の個性も違いますね。

クローンや台木が同じでも気候や土壌が違うと逆の仕上がりになる事すらあります。

或いは発酵の時の酵母が違うと複雑性が全く異なります。

寝かせる樽のサイズでも、樽の新しさでも違いますね。

私は生産者ではありませんから、偉そうなことは言えませんが、一つの品種を育てるってことは大変な苦労なんですね。

どのクローンがどの台木にあって、もとよりそこの気候に即しているか?稙密度や剪定は?

収穫は酸を残すか、完熟させるか?酵母はどうする?

発酵温度は?

一年では答えは出ませんね。しかも、毎年気候は違う訳ですから2,3年掛かっても判りません。

造り手さんには哲学が有るでしょうから、そこに到達するまでには膨大な時間と資金が掛かりますよね。

さて、では私達はどうするか?いや私はどうするのか?

私は特定のワインのみを扱う仕事ではありません。料理に合わせて売る仕事です。

とするならば同じ造り手、同じ品種のワインであっても「この年のはアレに合わせよう」「この年のは冷やそう」「この年はもう少し待とう」と考えるだけです。

前にも書きましたが私にワインの優劣はありません。

今後共に生産者の皆さんには様々なワインの提供をお願いしたいものです。