ダイニング・ウィズ・ワイン そむりえ亭

料理にワインを
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 樋口誠

地産地消

2015年09月22日 02時27分49秒 | ちょっと休憩
どれくらい前からでしょうか?

「地産地消」という言葉が語られ始めたのは・・・・


昔のフレンチの店では「フランス産の○○が手に入った」というのが自慢だったかもしれません。


しかし、今では特に野菜に関してはそうでなくなっていて、そむりえ亭でも野菜は近郊のものが多くなっています。

これからの季節の主役ジビエも国産率が上がっていますね。

「ノルウェー産のサーモンが・・・」とも言わなくなったような気がしますが違うでしょうか?

ワインも国産を使う店も増えていますし、クラフトビールも国産でいいものが多いですものね。



いやいや、まだまだ輸入物に頼る部分もあるでしょう。

トリュフやフォワグラ、力強い家禽類はそうです。




ただ・・・・・


果たして何でもかんでも「地産地消」でいいのか?と問うと「そうではないのでは」という声も聞こえてきます。


「本場の見本」なしでは文化の伝導ではありませんし、海外の有名産地は「大きな産業ゆえの安定した低価格」であったりするわけです。

イタリア料理屋では伝統的なイタリアワイン、フランス料理屋ではその文化の香りがするワインがあっていい。

そむりえ亭では国に拘らず「世界で造られているワインを伝導したい」と思っていますので多くは輸入物です。

そこを無視していると「努力しなくても買ってくれる」という甘えも出てきますし、多くの人の所得が下がっている中で「あえて高いものに手を出すことはできない」という店の理由も正当なんですね。

そう、昔は「有名な産地のものは高いが凄い」と買っていたのが、今は「海外のもののほうが安いことがある」から買っていたりするのです。

現在TPPの論議が決着していませんが、これが進めば価格破壊は一層進むのでしょう。
そうすれば輸入品の価格が更に下がります。


そこで負けない国産品を構築する政策はどういうものか?

私には答えられませんが、いい形で「地産地消」が進めばいいな、と思っています。


             樋口誠