ふた昔くらい前まではよく見かけた味わいのワイン。
1995年「フレンチパラドックス」というアメリカのTVでポリフェノールブーム。
赤ワインが一気に売れ始め、同時に甘口が市場から少なくなっていきます。
ドイツのワインも今では辛口が普通になりましたし、赤も沢山造られるようになりましたが、その頃までは白が圧倒的で、しかも甘いものが多かったのです。
勿論今でもありますし、それは素晴らしいものです。
しかし、私もついつい辛口寄りの採用をしていました。
現在使っているものの中に「昔懐かしい味わい」のドイツワインが入っています。
日本酒でいう「灘」にあたるラインガウのカビネットという格のものです。
葡萄はリースリング。
ほんのり甘く、アルコールが低いのです。
なんと8度。
「甘いワインなんて」と言う声、「料理に合わせられない」「デザートワインやな」的な声を聞きますが、実は食中酒としても充分です。
甘いだけでなく良質の豊富な酸があります。
料理の塩分や辛味に丁度いいのです。
今お出ししているコースの中でも登場させようと思います。
何と合わせるかはお楽しみ、です。
50代以上の方は「ああ、懐かしい」と声が漏れるはずです。
樋口誠