ワインの世界では「澱との接触が・・・」などと言われます。
澱にも色々ありますが、この場合は醗酵で活躍した酵母の残骸の事をさします。
「残骸」というと聞こえが悪いのですが、いい仕事をしますので言い方を考えたほうがいいかもしれません。
さて、例えばシャンパンを含むスパークリングワインやロワール地方の白ミュスカデでは昔からその効用が謳われています。
つまり醗酵に必要な糖分を消費した後、酵母自身が自らを消化=自己消化しアミノ酸を生み出し、更にはイースト(酵母)香をもたらすというものです。
日本のワインで澱による「濁り」を取り除かないものもありますね。
これらのワインなどは出荷から時間を置くと旨味が明らかに増して、しかも円やかにもなります。
「なんや、濁ってるやないか」と慌てずに少し寝かせてから飲むと別人の顔を現すのです。
そしてシャンパンやそれをライバル視している地域が酵母との接触期間の長さを競う風潮があります。
しかし、現実はそんなに単純なものではない、というのが私の経験です。
もともとの原料葡萄が持つポテンシャルが弱かったり、そのバランスが悪いと結果は伴いません。
例えば某シャンパンメーカーの3つの有名な村の葡萄をブレンドしたキュヴェは裏ラベルにシャンパン地方に於ける最低熟成期間(澱との接触期間)しか澱との接触をしてませんし、その情報を堂々と表しています。
また、世界に名だたる白ワインは当然そういう期間はシャンパンに比して長くないのですが、滅茶苦茶美味しかったりするのです。
(普通の白でもバトナージュという方法で澱と接触させる方法はあります)
愛好家の方もプロの方も「澱との接触が長い」というだけでの購買は一歩立止まってもよい、という話。
さて、今日は土曜日ですが、まだ少し空いています。
ご連絡をお待ちしています‼
樋口誠