幼少の頃は脂が苦手で、家族で焼肉をしていても父に譲っていまして。
それがいつの間にか「美味しい」と感じるようになったのは「人並」ということでしょうか?
通常は牛や豚の脂、時に鶏皮の脂。
魚介ではトロや鰤の脂。
美味しいですよねえ。
しかしフレンチ(でなくても)の仕事をしていると野生の脂を知ることになります。
猪、熊が代表格です。
赤身部分も美味しいのですが、その脂は格別です。
融点も牛や羊などに比べ随分と低く、口溶けも早く位に優しい「感じ」です。
そういう中で異色なのが鹿です。
クラシックなフレンチでは脂の部分を外して供することが多かったのですが、最近は脂を残して焼いたりします。
これが美味しいんです。
前述の脂の「融点」は結構高いのですが、いやいや、外すには勿体ない味わいです。
今、エゾ鹿をお出ししていますが少量の脂を外さしていません。
是非、「大人の楽しみ」=「脂」をご賞味ください。
ちなみにワインは何を?
スパイシーな赤が定番ですが、実は白でも美味しく頂けます。
「じゃあ、白でやってみたい」という方はお申し出ください。
お待ちしています‼
樋口誠