ワインを熟成させるのに樽に入れる、というのが良く知られています。
これによってワインには樽の香りが付くわけです。が、樽の役割は、それだけではないし、むしろ樽の中で酸化し、蒸発し、重合し滑らかさを増し、複雑になり、と色々な役目を果たします。
樽の産地、大きさ、新しさ、樽材の焼具合、勿論、ワインの白赤、タンニンの量など色々な条件で答えは変わります。
ソムリエは、それらの効果をよく研究し、今注ごうとしているワインはどんな状態に熟成し、どんな香りを持ち、あとどれ位酸素を必要にするのか、見極めてお勧めしなければなりません。
私がそれが出来るか、と言えばまだまだ修行中ですが、最近は造り手側の樽使いの見極めが進んで、樽が過剰なことが少なくなっている気がします。葡萄から出来たものを飲んでいるのに、木から絞った汁を飲んでいるようなワインが一時多かったのです。今はそういうものに出会うことが減っていると感じるのは私だけではないと思います。いいワインが増えた、といっていいと思います。
折角、農家の方が頑張っているのですから、私も気張ってそれに合うサービス方を実践したいと思います。