関西に移った長男から連絡があった。
「何とか一週間たちました。ありがとうございます」
この息子、こういう挨拶だけは一丁前にできる・・・できるからこそ、何とも複雑な思いがする。
彼の引っ越しは、3月初めの合否連絡から始まった はずだった・・・親としては。
もっと言うと、願書を出した時から「受かったら?」ということは想定内のこととして道筋があったはず ?
なのですが、実際に息子が部屋を探しに行ったのが3月22日。
4月から入居可能な部屋はあったのですが、
彼に収入が無いので、親が行かなかれば契約できないということ。
私はこういうことをしたことが無かったので 「へええええ?そーなんだあ?」
たまたま物置を壊すために上京予定だった旦那が、
還暦にして初めて夜行バス泊というので向かい、往復した。
が、そこから審査というのでこの日に契約をしてもらえなかった。
入居中というその部屋は、
息子の入学式前には引っ越したかったが、鍵の引き渡しが入学式前日の夕方以降ということで、
荷物を入れられるのが早くても入学式当日・・・唖然、呆然、呆れ果て!!!!!
さらに言えば東京の家にこの6年の間にたまりにたまった長男の荷物は、
どれを持っていくのか、どれは処分していいのか、
さっぱり親にはわからない状況で部屋に山積みにされ・・・・開いた口がふさがらない !!!!!
一緒に引っ越し先について行って、荷物の片づけを手伝おうかとも考えていたが、
結局荷物を入れるのを入学式後の土曜日にしたため 「ま、がんばれや!」 ということになりました。
長男はPCと当座の着替えと、わずかばかりの日用品をスーツケースに詰め、アパート内野宿で数日をすごし、
待ちに待った荷物を迎え入れ布団でのびのびと寝られたその翌日に、
先ほどの電話となった。
「歩いていけるところにヨーカドーがあるんだ。
コインランドリーも近くにあって、洗濯機はまず後にするわ」
「冷蔵庫が無いのがやっぱり困るから、次の休みに探しに行くわ」
「野菜?食べているよ」
「学校、面白い。お昼になるとね、一番偉い先生が「昼だよ」って声かけてくれてね。
みんなで学食に食べに行くんだ!」
「夏にアメリカでやる研修に参加していいって言われた」
いろいろあったが、息子の新しい生活はなんとかうまく滑り出しているようだ。
あの子に頼る生活から、また一歩子離れしなければならなくなった。
いろいろ言いたいことは山ほどあるが、
やっぱり、
楽しそうに話す子どもの様子を感じると、これでよかったんだとホッとする。
たまには様子を知らせてきてくれるといいが、知らせが無いのもいいことなのかもしれない。
いい気分に浸りきっていると必ずとんでもない事件が起こるから、
あまりのうのうとしていてはいけないと戒めているが、
今少しだけの間、手放しで親バカをして息子を誇りに思っていようと考えている。
雨が降って寒い北の地にも少しずつ春が訪れているように、
わが子たちの上にも、ほっこらとした春が訪れますように・・・・
親の願いはただただそれだけのようだ。