私が、東京札幌を往復し始めたのは、姉の介護の都合からだった。
その後は、古い家の維持管理のため、
それから建て替えのため、
札幌に残した家族がいたため、都合に合わせて上京しては一週間から十日滞在する
という繰り返しが続いてきた。
その間に、子どもたちはすべて進学を理由に札幌を離れ、
今札幌の家にいるのは旦那さんだけになった。
こうなると周りの見る目は、当然だが私の足元は東京にあるという設定になる。
札幌に帰るという私に「行ってらっしゃい」
東京に行くという私に「次はいつ来るの?」
ほうそうかあ?
私の気持ちとしては以前と何も変わっていない。
住民票もまだ移していない。
でも、私はどうやら単身赴任の夫の世話を焼きに通ってくる妻らしい…?
札幌の家もまだはっきり決断することができないでいる。
手放すことになるのはわかっているのだが、
旦那が今後をどうするのか、いやどうしたいのか?
どう話を切り出せば、方向を過たず彼の本音を聞きだせるのか、
まだ見つけられていない…。
話し合わなくちゃなあ…わかっているんです!
わかっているんですけれど、
あの人も自分で道を切り開くことにたけていない。
強いものには流されて、置かれたところで頑張るタイプのようで、
いざどうしたいのか聞くと何も希望を持っていなかったりする。
そこを強く聞くと、へそを曲げてしまうところがある。
人のことはよくわかる、じゃあ自分がと思うと、私も同じようで、
似たもの夫婦なんだとこの頃とみに実感している。
それでも話し合わなくっちゃねえ…そう心して、今日もこれから上京します。
ついでのようで恐縮だが、小林麻央さんが亡くなった。
頑張られていた、と、思う。
穏やかな時間があっただろうか? よかったと思う時間があっただろうか?
美人で聡明で人柄もよく、そして大きな人生を歩む定めを受け入れて、
あまりに若くて…ここから十年がとても楽しい時間だったのに、
若い麻央さんに負けないように生き切りたいと思う。
ご冥福を心からお祈りします。
合掌