soramove

読書と旅行と柴犬のブログ
目標は留学生に日商簿記3級合格を!
ヤプログから引っ越してきました。

映画「アンチ・クライスト」宗教儀式に参加したような気分

2011-03-22 22:46:56 | インポート
「アンチ・クライスト」★★★
シャルロット・ゲンズブール、ウィレム・デフォー出演

ラース・フォン・トリアー監督、127分、2011年2月26日公開
2009,デンマーク、ドイツ、フランス、スウェーデン、
イタリア、ポーランド,キングレコード
(原作:原題:ANTICHRIST )




                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



「息子を事故で失った夫婦。
そのことで二人の生活は大きく変化する、
悲しみと自責の念で妻は神経を病み始め、
セラピストの夫は森の中の山小屋で
妻の治療を試みる。
しかしそこで事態は急変する。
予備知識なしに見たので
まさにとんでもない展開に驚いた」



ウイリアム・デフォーの顔がアップになると
穏やかな表情を見せていても
その下にある何か邪悪なものを感じる、
これはこれまでの映画からの先入観だ、
かたや時に子供のような顔にも見える
シャルロット・ゲンズブールは、清廉無垢な印象だ。


しかしこの映画ではそれは
見事に逆転する。


悪は存在する、
それは自分の隣かもしれない、
それを人は突然知らされて
途方に暮れるのだ、

でももうその時は自分も
知らなかった世界に足を踏み入れているのかもしれない。
そんな恐怖。

屋根に落ちるどんぐりの音、
ふぜいがあるとも思えるが
彼らの状況の中では
余計と不安をあおぐものでしかない、

森の中の小屋へ続く道の途中の
大きな洞穴
その大きく口をあけた暗闇が
何かを示唆する、

どこかに仕掛けがあるんじゃないかと
そこここで深読みするが
恐怖はもっと具体的に表れる。


そして観ながらも
自分の足を床から上げて
「痛い、痛い、痛い」と何度も思った、
よくこんなこと考えたよな
そんなふうに思いつつも
心の暗闇、悪魔の具現化
色々なものを画面から読み取ろうとする。



観終わってほっとする、
劇場の外へ出ると冷たい空気に包まれるが
映画で感じた恐怖の冷たさと比べたら
まだ現実のほうが
やり過ごしやすいのかもと
いつもの足取りに戻って地下鉄へ。

ちょっとエグイ描写が多くて
万人向けじゃないが
映画体験としては面白かった。

★100点満点で60点

soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン

シャルロット・ゲンズブールは「なまいきシャルロット (1985)」をはじめ
もう30作近く出演してるベテランだけれど
日本での一般的な知名度はいまひとつか。

★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか




書籍「愛おしい骨」20年前の殺人事件が新しい事件を呼ぶ

2011-03-21 00:09:11 | 読書の時間
「愛おしい骨」★★★☆
キャロル・オコンネル著 ,
創元推理文庫、2010/9/11
( 522ページ , 1,260 )

<リンク:
【送料無料】愛おしい骨

【送料無料】愛おしい骨
価格:1,260円(税込、送料別)

>


                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



「十七歳の兄と十五歳の弟。
ふたりは森へ行き、戻ってきたのは兄ひとりだった。
二十年ぶりに帰郷した兄オーレンを迎えたのは、
時が止まったかのように保たれた家。
誰かが玄関先に、
死んだ弟の骨をひとつずつ置いてゆく。
何が起きているのか。次第に明らかになる、
町の人々の秘められた顔。
迫力のストーリーテリングと卓越した人物造形。
『クリスマスに少女は還る』の著者渾身の大作。」
(文庫解説より抜粋 )


読み終えたときの脱力感の大きさで
その本の面白さは決まる、
安堵の気持ちと終わってしまった
なんとも言えない寂しさと。

20年ぶりに帰郷したオーレン、
そして骨になって帰ってきた弟ジョシュ。
そして新たな殺人事件、
街の人々は誰もが何か秘密を抱えているようで
そんな割り切れないものを
ひとつずつ解明しようとする
それは人間の好奇心と
今度こそ犯人を捜し出すという
使命が重なり
「事実」の扉を開けていく。

15歳の弟の知られざる別の一面、
そんなことを知るために
帰ってきたんじゃない
それでも真実に近づくには
全ての事柄と向き合うしかないのだ。


ミステリー小説というより
小さな街に住むいわゆる
普通の人々を描いていくと
そこには多かれ少なかれ
秘密があるわけで
そんないくつかがちょっと道を間違えると
大変なことに巻き込まれていくのかもと
心理描写も的確で
残酷な殺人などに焦点をあてるというより
まさに人間を描いた作品だ。



20年も前の事件を再構築する試みは
時に人の記憶の曖昧さが立ちはだかり
それが事件解決の部分で
すっきりしないと感じるが
まあそれはそれとして
読みごたえのある作品だった。


★100点満点で80点


soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン

『クリスマスに少女は還る』は評判がいいようなので
そのうち読みたい。

★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか


映画「アレクサンドリア 」かつての神秘的な古代都市に思いをはせる

2011-03-19 19:45:01 | 大作映画ハリウッド系
「アレクサンドリア 」★★★☆
レイチェル・ワイズ、マックス・ミンゲラ、
オスカー・アイザック、マイケル・ロンズデール、
サミ・サミール出演

アレハンドロ・アメナーバル監督、127分、2011年3月5日公開
2009,スペイン,ギャガ
(原作:原題:AGORA)




                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい



「4世紀のエジプト、アレクサンドリアが舞台。
実在の女性天文学者のヒュパティア(レイチェル・ワイズ)は、
学問に情熱を注ぎ、弟子に講義を行っていた。
しかしその繁栄もキリスト教という
当時の科学を否定する大きな勢力と衝突し
新しい時代が幕を開けようとしていた」



とにかくエジプト関連の事には
全て興味があるため
この映画も楽しみにしていた。


日々の労働に縛られず
詩作や思想を楽しむ一部の貴族の生活は
奴隷制によって支えられていた、
そこに誰でも平等を説くキリスト教は
主に下層の平民や奴隷に
圧倒的な熱狂で迎えられた。


芸術や文化もこんなふうに
現実世界から離れたところで
一気に花開いた時代が何度かある、

それは現実感を欠いた危うい基盤の上にある、
そんな足元が揺らぐ時代がそこまで来ていた。

どこまでが歴史の事実なのか分からないが
地中海の気持ちのよさそうな気候の中
かつて繁栄を誇った都市があった、
そこでは日本の八百万の神と似た
様々な神が信仰の対象となっていた、
そして彼らの心のよりどころともいえるのが
これまでの知識を記した本を収蔵する図書館だった。

この図書館がキリスト教の勢力に
無残に燃やされ、壊されたシーンは
なんとも無念な気持ちになったが
歴史ってこういうことの繰り返しだったのだ。



さらには女性が人の前に立ち
道理を説くことを危惧し
「魔女」と名指しされ
石打ちの刑に処せられるというラストシーンは
残酷だったけれど
それでも自分の意思を曲げない
気高さが守られたことを喜びたい。

話し合いが行われても
それが結局最後は武力にものを言わせるような
そんな経験から現代社会は成り立っている、

これが本当に成熟した社会なのかと
疑いたくなる瞬間も多いが
それでも信じて守っていくべきなんだろう。

以前カイロからスタートして
ルクソール、アスワンと旅したが
アレキサンドリアはまだ行っていない、
次にエジプトに行く機会があれば
是非訪れたいと思った。
その空気を自分でも感じたい。

★100点満点で75点

soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン

レイチェル・ワイズは女優として方向がまだ見えない。

★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか




映画「SP 革命篇」これは傑作、面白かった。

2011-03-17 19:09:35 | 邦画
「SP 革命篇」★★★★
岡田准一、堤真一、真木よう子、
松尾諭、神尾佑、山本圭出演

波多野貴文監督、128分、2011年3月12日公開
2011,日本,東宝
(原作:原題:SP 革命篇)




                    →  ★映画のブログ★
                     どんなブログが人気なのか知りたい




「2作に分けて制作された後篇ともいえる作品、
何かが密かに進行し、
上司の尾形(堤真一)の発言もどこか意味深と
この作品に期待は高まっていたが、
まさに時間の経つのも忘れて
どんどん進行していく展開に見入った、
久々にスカッとした傑作といえる」



SPとして個別に国会議員の警護について
彼らを議事堂内に見送り
集合した主人公の井上薫(岡田准一)らに
上司の尾形は議事堂3階の委員会室の検索を命じ、
その間に尾形率いるテロリスト達が
議場内を制圧し、
数人の議員の不正を暴いて
このままではいけないのだと
「大義」のための行動と訴える。

この辺りまでは実に迅速で
こんなに簡単に国の中枢が
テロ行為の術中にはまるのかと驚くが
行動に説得力があるので
違和感はない。



この難局をSP4人がどう打開していくのか
お膳立てはバッチリ、
わざわざ尾形がテロ軍団から
井上たちSPを遠ざけた意味を考えつつ
それでもTV中継される尾形たちの
異常な行動に戸惑う姿も
見ている観客と同じ目線で
演出というか編集というか
うまいんだなと。



また官僚グループが議事堂から離れた
マンションに集まり
事の推移をTVで見つつ
操ってるのは自分たちだと
成り行きを説明してくれるので
親切なつくりにもなっている、
ここで明らかにされた
尾形も知らないさらなる「大義」というか
陰謀を知ると
身をさらして高潔な政治家を求める
尾形の姿が痛ましくも思えてくる。



そしてSPの突入、
尾形と井上の対決。
ラストは涙。



今回は不思議な力をもつ井上の
その力ってのはあまり発揮されなかった、
またアクションシーンも前回より少なめ
ただし狭い部屋での戦いは
相変わらず痛そうで
リアルな感じで
このあたりがフィクションとはいえ
この映画のひとつの魅力となっている。

結末は分かってしまったが
革命編はもう一回くらい見てもいいかな。

ただしラストに井上はまた頭痛に襲われ
これは続きがあると示唆していた。

★100点満点で80点

soramove
★この記事が参考になったらココもクリック!よろしく(1日1回有効)←ランキング上昇ボタン

映画「SP 野望篇」アクション最高!でも人物描写は薄い。← 過去記事へジャンプ


★人気映画ランキングはこちら、どんなブログが一番読まれているか




平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震

2011-03-17 15:04:13 | インポート
平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震


2011/3/11(金)こちら名古屋では強い揺れを感じましたが
身近なところでは被害はありませんでした。
東北地方での被害の状況が分かるにつれ
今現在も大変な状況で過ごしている多くの人がいると思うと
ありきたりですが、
がんばってくださいとしか言いようがありません。


募金や節電くらいしか
出来ることが思いつきませんが
同じ日本人が大変困難な事態にあることを
思いつつ、自分としてはただただ普段の生活を
淡々としていくだけです。


原発の対策に身を呈して今も
力を尽くしてくれている人がいます、
早く事態が好転することを願っています。


★地震関連情報はコチラから