銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

葛の湯(横浜・踊場)

2017-05-22 09:59:59 | 銭湯
訪ねたのは、葛の湯。ここは戸塚に近く、横浜全体で見ると真ん中のやや下側。そのためそのまま南下すれば、藤沢や鎌倉に突き当たる。
横浜市営地下鉄踊場駅を降りて、住宅街の中へ歩くこと10分。葛の湯に到着する。
この地域は変わった地形をしていて、不自然な曲がり角や上り下りを繰り返す。



▲道路が隣の家の二階部分の高さ。進む方向の右側から左に掛けてなだらかな傾斜になっている


▲道が結構いびつ


▲写真だと分かりづらいが、道の奥に突然凹凸があらわれる


葛の湯は入浴料が一般の銭湯と同じ470円。そのため規模も普通の銭湯を想像していたのだが、予想を越える大きさにビックリ!
ちょっとしたスーパー銭湯並。あるいはそれをしのぐ大きさだ。一般銭湯の料金で入れる健康ランドといったところか。



▲昭和後期っぽい看板


▲左がアパート兼店舗。奥が葛の湯。手前の駐車場も広い。しかも訪れたときは満車。帰るときは、入り口に車が列をなしていた人気ぶりだ


▲右側は住居棟である


施設は銭湯を中心に、食堂、カラオケ、マッサージ。
施設の外になるが葛の湯の敷地内には、駐車場横に喫茶店、居酒屋、お好み焼き屋など連なり、ちょっとした商店街である。
入り口には、なぜか鳥かごがあって、案内板がある。案内板を必要とするほど大きな銭湯は初めてだ。



▲入り口の案内板


入り口に入ると下足箱があり、奥はフロントと休憩所を兼ねた広いスペースになっている。自販機の充実ぶりも特筆すべきだろう。
休憩所には食堂もあって、年配の男女が飲み会を開いていた。
その奥には、カラオケとマッサージ。トイレに行くと、カラオケの歌が聞こえてくる。
そんな感じで、かなりぎやかである。


自販機のチケットを買うと、フロントで下足箱の鍵を渡して、代わりにロッカーの鍵を預かる。
男女日替わりの銭湯らしく、この日の男湯が左側の美都波の湯。和風を売りとした浴室だ。


脱衣所は広く、床は揮発性の高い竹材。それと従業員が定期的に拭きにきてるので、床はまったく濡れてない。
ロッカーも大きくて、大抵の人なら荷物が入らないことはないだろう。


浴室は、左側が奥までカラン。スーパー銭湯のように、すべてがハンドシャワーになっている。
右側が、ダイヤの形で浴槽が4つ並ぶ。
電気湯とハイパワージェット、ジェットバス、浮き湯(寝っ転がって下側のジェットで浮くというやつ)だ。浮き湯はあまり安定感がないので、個人的にはかえって疲れる。


お湯の温度はほとんど41℃近い。そのため誰でも入れる銭湯といえるだろう。
サウナもあって、サウナは鍵で開け閉めして、階段を降りていく。
露天風呂もあり、2つの浴槽を備える。一つひとつは小さいが、春の風を受けながら入る銭湯は心地良い。


客層は、高齢者も多いが、家族連れが目立った。小さな子どもたちも沢山いて、普段の銭湯とは異なる光景だ。
天井は伝統的な銭湯に比べるとかなり低いが、採光のあるガラス天井になっており、日の光を浴びながら入る銭湯は心地よかった。


【評価チェック箇所】
・アクセス(道程) 少し歩く
・周辺の環境 住宅街
・混雑ぶり そこそこ混んでる
・清潔さ 徹底されている
・接客 ふつう
・客層 家族連れや中高年
・脱衣所 広いし無駄なものがなく、ロッカーが大きい
・休憩所 広く食堂も兼ねる
・シャワーの出 ふつう
・男女入れ替え あり
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ あり
・温度 適温
・壁画・眺望 なし


【案内】
住所
〒245-0014 横浜市泉区中田南5-1-16
電話
045-805-1010
営業時間
09:30〜25:00
定休日
第3木曜日(祭日の場合は営業)
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載


中村浴場(横浜・石川町)

2017-05-21 18:59:45 | 銭湯
JR石川町から川沿いをそのまま歩いて15分ほど。住宅街の中にマンション銭湯である中村浴場がある。



▲高速道路や川沿いをたどって


▲中村浴場に到着


たまに自宅かビルか不明な建物があるが、ここは完璧なまでにわかりやすいマンション銭湯。


下足箱に靴を入れて中に入ると、フロントなのだがかなり広いスペースが広がっている。
休憩所と呼べるような設備はないが、椅子は一応用意されていた。


フロントにいたのは、四十代半ばぐらいの女性。
ほとんど受付の女性といえば五十代以上が大半で、しかも必ずといっていいぐらいサスペンスドラマをみているのだが、ここは四十代。しかもスマートフォンをいじってるのは新鮮、かつ若いと感じてしまう(仕事中にスマートフォンをいじってる是非はともかく)。


「貸しタオルありますか?」と聞くと、「はいはい」という軽妙な返事。あまりは愛想は良くなかった。
ロッカーの鍵を受け取り脱衣場に入ると、脱衣場も広いスペースで無駄がなく、とてもキレイ。それと有線が流れている。


浴室は、それほど広くはないが、清潔感があり、照明も明るい。
全体を通してちゃんと管理された銭湯である。


サウナが左側手前にあって、その隣に水風呂。右手前に立ちシャワー。そしてカランが並ぶ。奥に浴槽で、L字型をしている。
右側が薬湯。この日はラベンダーで、とてもいい匂いがした。
真ん中あたりがバイブラ。バイブラはなぜか二種類あるのだが、ボコボコとかなり泡立つバイブラと細かい泡のバイブラが並行していた。


細かいほうは気持ちよく、しばらく体育座りで堪能する。
ボコボコの方は波立たせるだけで顔にぶつかるのでイマイチだった。
それと、左側は座湯ジェット。温度は、白湯のほうが41℃ぐらいで、薬湯が43℃。


壁画は、不揃いのタイルを組み合わせた渓流と山岳の絵で、色鮮やかで見事だ。
客層は若い人も多くて、全体的にバランスがとれている。
それと若い人が多い銭湯というのは、まずハズレがないと断言できるだろう。
ここの銭湯は駅から離れているとはいえ、設備に関してはまったく申し分なく、だいぶ歩かされたが来て良かったと思える銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 JR石川町
経路 川沿いを歩く
周辺の環境 住宅や公園
●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 渓流と山の風景
置物 なし
★設備
休憩所 椅子のみ
脱衣所 広くて使いやすい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 バイブラ、座湯ジェット、薬湯
サウナ あり
温度 41℃、43℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 女性はあまり愛想がよくないが、高齢男性はふつう
清潔さ 全体がきれい
貸しタオル あり
備え付け なし
◆人
受付 四十代の女性と、高齢男性
客層 中高年から若い人も


【案内】
住所
〒232-0033 横浜市南区中村町2-117-7
電話
045-261-3867
営業時間
15:30〜23:00
定休日
8日・18日・28日
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載




桜湯(横浜・根岸) 廃業

2017-05-21 17:58:26 | 銭湯
桜湯という名前の銭湯は、横浜に2つあって、一つは磯子区で、もう一つが南区。今回訪れたのは、南区より南側にあたる磯子区のほう。住宅街の奥まったところにある銭湯だった。

▼細い路地が多い住宅街






▼小さな商店街もある




▼そして桜湯に到着したのだが…




▼夕焼けに染まる煙突は美しい



桜湯をたずねてみると、営業日のはずが明かりもなく扉が開いていない。もしかするとと思い、都合よく近くにたたずんでいた高齢男性に声を掛けた。
「すみません、ここの銭湯はやってないんですか?」と聞くと、「1ヶ月前だったかな。最近閉じちゃったな」と言う。せっかく来たのに!


それから少し記憶が曖昧らしく、「たしか今年中にやめたかな」とも述べた。とりあえず今年になって廃業したのは確かなのだろう。
はるばる来たのにと思ったが、廃業なのだから仕方がない。しかしなにも知らずに廃業あとに来てしまったのは、これで二回目。
こういう自営業だとホームページも作らないから、実際に来てみないと分からないのが銭湯めぐりの宿命か。


それにしても外観の寂れ具合といい、立派な煙突といい、一度でいいから入ってみたかった。

松美湯(横浜・吉野町)

2017-05-20 18:12:43 | 銭湯
横浜市営地下鉄吉野町を下車して南に歩き住宅街に入ると、松美湯はある。ここは横浜市南区で、東に関内。南に根岸がある立地だ。




▲定休日の金曜日は、陶芸教室も開いているらしい


▲かつてコーヒー店も開いていた痕跡


松美湯にたどり着いて中に入ろうとすると、なにやら女性の声が聞こえてくる。なんだろうと思っていると、年配らしき女性が小型犬を連れて犬に話しかけている声だった。
ここの銭湯の関係者なのか客だったのか分からないが、銭湯の中から犬を連れて出てくるはビックリ。犬を入れても大丈夫なのか?! 


下足箱にサンダルを入れて中に入ると、最初に目につくのが陶芸作品の数々。陶芸教室を開いているだけあって、作品がたくさんある。
しかし、全体的にみるとなんだかごちゃごちゃしてる印象だ。
照明は暗く、空気までセピア色に染まってる感じである。


ここはフロント式で、フロントには50代後半ぐらいの男性が座っていた。テレビのニュースを食い入ってみてて、ほとんどこちらに顔を向けない。
お金を支払い脱衣場に入ると、それなりの広さがある。しかしフロント前同様に、なんともいえない暗さを感じる。やはり銭湯は、接客も照明も明るくなくちゃ!と思った。


ロッカーは、壁際にあって、壊れたぶら下がり器、マッサージチェア、ベットタイプのマッサージ機などがある。それとやたらと鍵のついてないロッカーが散見されたのだが、壊れたままなのだろうか?


浴室は、残念なことに非常に汚い。経営者の姿勢を問われる状況だ。
ただ、銭湯の配置はおもしろい作りで、入ると真ん中に浴槽がある。縦長の丸い形。それと浴室奥には薬湯。薬湯は、42℃ぐらいで、真ん中の白湯は結構熱い。温度計は49℃だったが、さすがにそこまでは熱くなかった。たぶん46℃前後だろう。


カランは男女の仕切壁にあって、端っこにハンドシャワーがある。このハンドシャワーがまた全然お湯が出ない。
そんな感じで、とにかくおしなべてガッカリ感が強い銭湯だった。


それから浴室を出ると、体を乾かすために脱衣場の横にある扇風機を回したのだが、これはスゴい!
老朽化した扇風機ながら風力はめちゃくちゃ強力。
すごく古い代物なのだが(なにせブランドがNational)、これは他の銭湯にもほしい! 髪があっという間に乾く。夏ならばドライヤーいらずだ。


しかし、ほかは突っ込みどころ満載の銭湯であった。
実際に客数は少なく、先客は二人だけ。ほかにすれ違うこともなかった。


現在、横浜ではないが東京の銭湯は年間40件ほどの銭湯が潰れているという。
日にちに換算すると、10日に1件の割合だ。
ここ14年間では4割もの銭湯が消えたという。
そこには諸事情があるのだろうが、一方で物価統制冷という競争が働かないためか、他の業界と比べて残念な対応や仕事ぶりを感じることも少なくない。


ちゃんと顔や目を合わせる接客や、きちんと掃除すること、不必要なものは捨てるなど、最低限のサービスにつとめるだけでもお客さんを呼び戻すことはできるのではないかと思う。
人のことをとやかく言える立場ではないが、銭湯が好きなだけに余計、こういう銭湯と遭遇すると残念に感じてしまった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス 
最寄り駅 市営地下鉄吉野町
経路 そのまま住宅街の中へ
周辺の環境 住宅街
●空間演出
建物外観 地味な建物 
壁画・眺望 小さなタイルで作られたモザイク画。西洋の山岳田園風景
置物 陶器
★設備
休憩所 コーヒーも出してくれるらしいが…
脱衣所 それなりの広さがある
シャワーの出 非常に弱い
浴槽の種類 白湯、薬湯
サウナ なし
温度 46℃、薬湯は43℃ぐらいか?
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 よくない
清潔さ 悪い
貸しタオル あり(30円)
備え付け なし
◆人
受付 50代ぐらいの男性
客層 高齢者


【案内】
住所
〒232-0042 横浜市南区堀ノ内町2-140-1
電話
045-742-1126
営業時間
16:00〜22:30
定休日
毎週金曜日
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

平安湯(横浜・鶴見市場)

2017-05-20 09:46:02 | 銭湯 温泉
今回訪れたのは、東京都蒲田や神奈川県川崎市に隣接する横浜市鶴見区の平安町。少し歩けば海が見える土地柄だ。
京急鶴見市場駅から海側の方面に向かって歩き、駅伝で有名なゴム通りを横切ると、どういうわけか自由の女神がみえてくる。
その通りから住宅街の中に入ってしばらく歩けば、平安湯があらわれる。ここらへんはちょっとクセのある道路である。


▼写真だと分かりづらいかもしれないが、かなり大きな自由の女神。街のシンボル的存在だ。しかし、ここはいわゆるラブホテル



白いタイル張りの建物で、奥側には和風の屋根と煙突がみえる。入り口はすっきりした感じで、清潔感がある。


▼奥の建物が和風


▼手前が現代風



下足箱に靴を入れて扉を開けると(自動扉とあるが手動でないと開かない)、休憩所と受付のフロントが目の前に飛び込んでくる。
フロントは、普通のおばちゃんという感じの人だったが、とても愛想のいい女性だった。
自分が入店したときは、常連客らしい男性と楽しそうに話をしていた。


左側にある男湯ののれんをくぐると、脱衣場もゴチャゴチャしたものがなくすっきりしており、こういう空間は素晴らしい。
人はけっこう入っていて、人気のほどが伺える。


浴室の扉を開けると、さっそく足下のタイルが黒ずんでいる。
入って手前右側のところが冷鉱泉(源泉の水風呂)で、濃厚な黒い源泉を使っているために、人の動きにあわせて成分が床に付着してしまったのだろう。


サウナは左奥手前にある。カランは、左右の壁際と、島カランが二つ。浴室は広く感じる。


奥にある浴槽は、三つで、右側が深浴槽の温泉。真ん中が主浴槽となるのか、一番大きい白湯。
バイブラに、電気風呂。電気風呂は、良心的にもスイッチを押さないと稼働しない。今まで電気風呂と知らずに足を入れてどれほど痛い思いをしてきたことか。
左側は温泉と同じ大きさで二人ほどが入れるジェットバス。


黒湯の温泉は温度計が44℃とあって、だいたいそれぐらいなのだが、白湯の方はおそらく41℃ぐらいだろう。長湯ができる温度だ。


温泉のほうは冷鉱泉(水風呂)と異なって、なぜか薄い黒(循環式か?)。緑と表現したほうがより近いかもしれない。
思い出すのが浅草にある蛇骨湯で、色合いがまったく同じだ。臭いは、蛇骨湯のほうが強かった気がする。


しかし、こうした住宅街のど真ん中で、温泉のある銭湯に出会えるとは思ってもみなかった。
関東はどこを掘っても温泉(冷鉱泉)が出るとは言われているが、こうした住宅街密集地では掘るのに相当苦労があったのではないか。


建物は全体的に少し古い感じはするが、きちんと手入れがされていて綺麗な印象である。屋根も高く、開放感がある。
ここ最近の銭湯では、もっとも満足度の高い銭湯だった。


【評価チェック箇所】
・アクセス(道程) 少し遠い
・周辺の環境 住宅街
・混雑ぶり けっこう混んでる
・清潔さ きれい
・接客 愛想がよい
・客層 中年が多いか
・脱衣所 ふつう
・休憩所 フロント前にある
・シャワーの出 ふつう
・男女入れ替え なし
・備え付け なし
・貸しタオル あり
・サウナ あり
・温度 少し熱め
・壁画・眺望 壁画はなし


【案内】
住所
〒230-0031 横浜市鶴見区平安町1-70
電話
045-502-4126
営業時間
15:00〜23:00
定休日
不定休
※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合HP転載