先週の土曜日にアメリカ大使館主催の「AMERICA EXPO 2013 カレッジフェア&留学・進学セミナー」が開催されました。オープニングスピーチでは、アメリカ大使館の臨時代理大使カート・トン氏が、ご自身のプリンストン大学時代の日本への留学経験や様々な国際交流の体験が現在の礎になっていることを話されました。続いてシークレットゲストとして登場した、パックンマックンのパックンことハーバード大学出身のパトリック・ハーランさんが、軽妙なトークで会場を盛り上げていました。
ハーランさんは、昨年から東京工業大学で非常勤講師として教えています。ハーランさんによると、日本の大学生は「非常に優秀で何でもできる」そうです。「マニュアルさえあれば」。細かな指示をすると非常に丁寧に仕上げてくる。ところが、アバウトな注文ではほとんどできない。これに対してアメリカの大学生は「一つ一つは必ずしも丁寧でないかもしれないがオリジナリティにあふれる」との比較をしており、短いながらも興味深いスピーチでした。ちなみに、会場で配布されていた『アメリカ合衆国の地図と豆知識』によると、「バスケットボールは米国で最初に創作されたスポーツだと考えられている」そうです。
1979年のベストセラー「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の著者、ハーバード大学のエズラ・ヴォーゲル名誉教授は、最近の日本経済新聞のインタビューで「日本経済を再び活性化するには、起業家を増やし、中小企業を育成すべき。いまの大企業もかつては中小企業だった。しかし、いまの日本は開業率が米英に比べて低い」と指摘しています。経済大国として繁栄を享受した時代は既に過去のものとなり、日本に追い付こうとする新興国と競うには一段階高いステージに昇る必要があります。再び世界をリードしていくためにも、「オリジナリティ」に富んだベンチャー企業が次々と生まれるような教育や政策が求められています。2020年の東京オリンピックで、世界を驚かせるような企業や製品がどれだけ登場するか、「マニュアルさえあれば…」のイメージを覆して新たな日本を見せられるのか、日本選手の活躍とあわせて期待したいと思います。また、自分自身も「オリジナリティ」を意識しながら、日々の業務に取り組みたいと考えています。
(maw)