駿台コロンバス校です。
高校生の国語は現代文・古典の二本立てです。そもそもアメリカでは国語が苦手だという生徒が多いですが、特に古文に関しては触れる時間が少ないこともあり、現代文と比べてとっつきにくいものになっています。まして漢文などは、書き下し文に直してもまた日本語の古文になって結局よくわからない…となりがちです。
実際、大学に進学しても国文学や中国文学を専攻する以外の人は、それ以降古文に触れることなく人生が過ぎていきます。数学や英語などにあるような現実的な職業につながる汎用性・実用性は薄いとも言えます。
古典がすらすら読めるより、英語をペラペラ話せた方が将来的に役に立ちそうです。
漢文よりも現代中国語を学習する方が、中国が台頭している現代においては重要かもしれません。
これは人文科学分野の衰退の問題とも関係があるかもしれません。-文系の中でも実学である法学・経済学の方が役に立つ。-世界に通じる理科系の教育・研究が必要だ。そういった意見が現在多いような気がします。
しかし、勉強というのは「直接役に立つ」という側面だけではないはずです。古文は読みにくいかもしれませんが、文法や単語の知識が解釈を助けてくれます。なんとか頭をひねってその意味を考える。これは相手の話を聞いてその意向を理解しようとする思考の訓練でもあります。また、昔の人の考えやその時代背景、現代にも通じる共通の価値観などを知ることができます。何より日本人なら、日本のことを古典を通じて知る必要があるのではないか。グローバル化の時代だからこそ、なおさらです。
「すぐに役立つものはすぐに役に立たなくなる」という言葉があります。なるべく塾での勉強の中でもそういったことをテクニックのみならず、伝えていきたいと思っています。
駿台コロンバス校 D.A.