今日は、駿台ニュージャージー校です。
今回は算数の勉強における問題演習の大切さについて、下の問題を例に話したいと思います。
【問題】
50人の生徒と50個のロッカーがあり、それぞれに番号を1から50までつけます。まず、1番の生徒はロッカーをすべて開けます。次に2番の生徒は2で割り切れる番号のロッカーをすべて閉めます。続いて、3番の生徒は3で割り切れる番号のロッカーを、開いていればしめ、しまっていれば開けます。同じようにして、4番、5番、6番、・・・、50番の生徒は、それぞれの番号で割り切れる番号のロッカーが開いていればしめ、しまっていれば開けることにします。これについて次の各問いに答えなさい。
(1)6番の生徒まで終わったとき、1番から6番までのロッカーはそれぞれどのようになっていますか。「開いている」または「しまっている」で答えなさい。
(2)50人全員が終わったとき、4番、8番、10番、16番、25番、30番、のロッカーはそれぞれどのようになっていますか。「開いている」または「しまっている」で答えなさい。
(3)50人全員が終わったとき、何番のロッカーが開いていますか。当てはまるロッカーの番号を全部答えなさい。
【解法の進め方】
(1)は簡単で調べればすぐにわかります。しかし、その方法では(2)で行き詰ってしまいます。(3)につなげる為にも他の方法を考えるべきでしょう。
(1)に立ち返りよく調べ、奇数個の約数を持つ番号のロッカーは最後に開いた状態になり約数が偶数個であれば閉じた状態になりそうだと気付いたら(2)も解けるでしょう。(3)ではさらに考えを進め奇数個の約数を持つ数の特徴を(1)(2)の解法をもとに考えねばなりません。(1)(2)でしっかり考えていれば3×3や4×4のように同じ数を2個かけてできる数が奇数個の約数を持つと気付くでしょう。
【思考力を身につけるための勉強法】
本問の出題の意図は当然(3)の解法にあるのでしょうが、そこに導く誘導が非常に巧みで優れた良問だと思います。入試問題では小問で誘導しながら発展的な思考ができるかどうかを見る問題が多く出題されます。解答に行き詰ったら前の問題に解法の方向性が隠されていないかふり返って考えるのが鉄則です。応用問題を解く際のそうした姿勢を身につけるためにも本問は非常によい演習教材だと言えます。優れた応用問題を解く以外に思考力を鍛えるための学習方法はありませんが、その際に注意しなければならないのは解答の正誤よりも解法の進め方です。上に説明したような考え方ができれば算数の学力は確実に伸びて行くでしょう。
【解答】
(1) 1番、4番、開いている 2番、3番、5番、6番、しまっている
(2)4番、16番、25番、開いている 8番、10番、30番、しまっている
(3)1番、4番、9番、16番、25番、36番、49番、
駿台ニュージャージー校 S.K.