こんにちは、駿台ヒューストンです。
アメリカから「き」と「けり」について一言。
みなさんのなかで、「き」は経験回想、「けり」は伝聞回想というまことしやかな「説」を聞いたことのある人、いるでしょうか。でも、古典を読んでいると「変だな」と思うことだらけですよね。実はこれ、まったくのガセネタなのです!
「いづれの御時にか女御更衣あまたさぶらひ給ひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬがすぐれて時めき給ふありけり」(帝の特別な寵愛を受けている方がおられた)と、桐壺の更衣(光源氏の母)の話から始まる源氏物語ですが、すぐ後に同じ更衣について「初めよりおしなべての宮仕へし給ふべき際にはあらざりき」(ほかの人と同じような宮仕えをなさるような身分ではなかった)と言っています。前者は作者の伝え聞いたこと、後者は実際に経験したこと、って、おかしいですよね。
写真は、紫の上と浮舟。それで思い出しましたが、「源氏物語の主人公は光源氏」って、これも???ですね。これについては改めて。
駿台ヒューストン(HO)