茨城県が誇るブランド牛は「常陸牛(ひたちぎゅう)」。でも、産まれた時から「常陸牛」
という牛はいません。茨城県の指定された生産者が県内で飼育した黒毛和種の牛のうち、
日本食肉格付協会枝肉取引規格において歩留等級AまたはB、肉質等級4以上に格付けされた
牛にのみ、この「常陸牛」というブランド名が付けられるのです。生産量・品質ともに全国
の有名ブランド牛と比べても、勝るともひけはとりません。ストレスのかからない自然環境
下で、一頭一頭丹精込めて飼育した結果、ブランド牛でありながら、コストパフォーマンス
の高い、美味しい牛肉になりました。茨城県が誇るブランド牛は常陸牛の一品種だけです。
それだけに美味しさの追求には並々ならぬ力(りき)が入っているのです。
今回は茨城県の誇る「常陸牛」の紹介です。
<食用肉に関する豆知識>
1.国産の食用肉は3種類に大別されます。
和牛:主なものに但馬牛(神戸牛、松阪牛、近江牛などの素牛(もとうし))。
食用になるまでに時間がかかる、飼育が大変、大量生産が難しいことが特徴。
乳牛(ホルスタイン):牛乳を作るための牛ですが、雄牛は(去勢して)肉用になります。
肉質は赤身が多く、やや柔らかいのが特徴です。味は淡白です。市販されて
いる日本の牛肉の70%は、乳用ホルスタイン雄去勢牛の肉です。
交雑種:交雑種は生産コストの引き下げ、 肉質の向上を目的に交配させた品種です。
黒毛和種等に代表される様な牛の種類(品種名)ではありません。
2.和牛の定義(農林水産省)
和牛には、黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類があります。和牛には
日本を意味する「和」という文字が入っていますが、日本産を表すものではありません。
和牛とは産地ではなく牛肉の品種を表す言葉で、4つの牛の品種と、その4種間の交雑牛
のみが、和牛と名乗れることになっています。この内、但馬牛をルーツとする黒毛和種
(黒毛和牛)は脂の風味がよく肉質に優れた品種。筋繊維が細く、脂肪が筋繊維の間に
入りやすいので、赤身にまでサシが入っているのが特徴。日本のブランド和牛の95%以
上を占めています。
3.元祖和牛の但馬牛(たじまうし)
黒毛和種の但馬牛は、もともと兵庫県において、水田耕作や輸送のための「役牛」とし
て飼われていました。しかし、牛肉を食する習慣が生まれた明治期以降、その資質の高
さが注目されて、交配も但馬牛同士でしか行わないなど、純血を保った改良が行われ、
ブランド化されました。但馬牛の資質の高さは評判となり、様々な地方で育てられるブ
ランド牛の素牛(もとうし:生後半年で出荷される牛)として、全国に広まりました。
「松阪肉」「近江肉」そして「常陸牛」など、あらゆるブランド牛は、例外なく但馬牛
の血を引いているといわれています。
4.ブランド牛(銘柄牛)とGI登録牛
「ブランド牛」には全国共通の明確な定義というものはありません。各地域のブランド
牛に関わる団体が、それぞれの基準を持って定めています。産地や血統、格付けや育て
方など、厳しい基準をクリアしたものだけがブランド牛とされています。ブランド牛は
全国で320種類以上あります。有名なブランド牛はすべて黒毛和種です。農林水産省が
食用肉を知的財産として、地理的表示法に基づきGI登録したのは但馬牛、神戸ビーフ、
特産松阪牛、米沢牛、前沢牛、宮崎牛、近江牛、鹿児島黒牛、くまもとあか牛の9品種
です。この9品種は食肉財産+知的財産なのです。味のランクが上がったわけではありません。
5.和牛と国産牛は違うもの?
スーパーやお肉屋さんで見かける「和牛」と「国産牛」。実はこの2つ、違うものなんです。
和牛は有名な「黒毛和種」や「褐毛和種」など、肉質のいい決められた品種のものだけ
を指し、その和牛の中でも、さらに細かい基準をクリアしたものが「ブランド牛」です。
国産牛は「日本国内で肥育されていた期間が一番長い牛」を指します。国産牛には、海外
で生まれ育った牛の場合もあるのです。
6.ブランド牛の格付け・ランク付け
焼肉屋さんやレストランで「A5ランクの高級肉を使用」のような紹介文を見ることがある
と思いますが、この「アルファベット+数字」を組み合わせた表記が牛肉の格付け方法です。
アルファベットはA~Cの3段階で、「歩留まり等級」と呼ばれ、食べられる部分がどれくら
いあるかを指します。(Aが一番多い)数字は5~1の5段階で、「肉質等級」と呼ばれ、脂
の入り方や色・質感によって判断されます。(5が最も脂が細かく均等に入り、見た目も美しい)
ちなみに、A5ランクはこの格付け基準において「最高品質」であることは間違い無いのですが、
だからといってその他のランクの肉が必ずしも味が劣るわけではありません。例えばB5ランク
であれば、肉質はA5ランクと同じなので、きめ細やかな脂が入った美味しいお肉であることが
多いです。
7.肉は「健康に欠かせない」大事な食品のひとつ:健やかな毎日を送るには栄養と運動が不可
欠です。運動で体を動かすのに大事な役目を担うのは筋肉です。筋肉を作る栄養素で特に大
切なのがたんぱく質で、特に牛肉は“良質なたんぱく質”が豊富。バランスのよい食事と適度
な運動で筋肉を維持し元気な体を作りましょう!
<常陸牛に関する豆知識>
1.3月5日は常陸牛の日:茨城県常陸牛振興協会が制定しました。3月いっぱいは各地で消費
キャンペーンやプレゼントキャンペーンを開催して、さらなる知名度向上を目指しています。
2.常陸牛の肉質:きめ細やかな肉に美しい霜降りが入った、牛肉独特の旨味と風味が特徴です。
常陸牛は他高級和牛同様に、ステーキはもちろん、肩ロースはすき焼きがおすすめです。
3.海外進出:常陸牛は茨城県内で飼育され、年間4200頭出荷されている高級黒毛和種です。
平成26年にはベトナムへの輸出が決まるなど、海外への出荷も積極的に進めています。
<茨城県が自慢する常陸牛>
常陸牛は、指定生産者制度を設け、茨城県内(最長期間)で育て上げ、(社)日本食肉格付協会の
歩留等級B以上,肉質等級4以上に格付されたものだけを「常陸牛」として認定しています。
枝肉重量は、全国でもトップクラスで大きく、肉質と脂肪交雑(サシ)が全国上位という特徴
があります。日本三大和牛といわれる「近江牛」「松阪牛」「神戸牛」に比べると知名度が低
い常陸牛ですが、常陸牛は全て黒毛和種であり、同じルーツを持っています。ですから、常陸
牛の特徴は「濃厚な味わいと甘い脂。そしてきめ細かな肉質で柔らかい」のです。「ブランド
モノは高い」というのが世の常ですよね。常陸牛も他の国産和牛と比べるとやや高めですが、
有名ブランド牛と比較してみると比較的リーズナブルな価格で購入できます。リーズナブルで
も美味しいです。「ブランド牛を食べ比べして一番常陸牛が美味しかった」「お値段以上の価値」
といった声をききます。最近では、TVにてお肉業界では有名なお店が希少部位を調理していまし
たが、使っている肉はなんと常陸牛でした。お店にとっても、食する方にとっても、価格帯は悩
ましいところですが常陸牛はどちらも幸せにしてくれます。常陸牛の最大の魅力はこの点にあると思います。
<常陸牛が食べられるおススメのお店>
1.肉のレストランくらた(日立市):昭和49年の創業から、美味しい肉を提供することを追求
し続けて約40年。常陸牛販売指定店・常陸牛販売推奨店の両方に加盟している、県内でも数
少ないお店です。茨城の誇る「常陸牛」ブランドを大切に守り、育てたいという想いの下、
常陸牛格付けランク最上級のA5・A4クラスのみを厳選して取扱っています。中でも、牛フィレ
肉の中でも大変希少な部位「シャトーブリアン」は絶品です!
2.焼肉 牛新(東海村):茨城でリーズナブルに常陸牛の焼肉を食べるなら絶対に外せないのが焼
肉牛新です。日立市と東海村に店舗を構えます。常陸牛ブランド立ち上げの頃から常陸牛にこ
だわり続けているので、茨城で流通する常陸牛の中でも、常にトップランクの肉を仕入れ提供
してくれます。特に常陸牛の中でも特上ランクの肉だけで作ったチャンピオンは必食です。
価格以上の価値に出会えるお店です。
常陸牛は、特有の「甘い香り」が食欲をそそるブランド牛です。30ヶ月もの長い期間、生産者が
愛情豊かに育てながら、その高い技術できめ細かい「サシ」を入れることで、優しい口当たりと
柔らかな食感を生んでいます。コレステロール減少効果があるオレイン酸が豊富で、その含有量
はオリーブオイルと同等とも。美味しさはもちろん、体にも優しいのが魅力です。
是非茨城県の唯一のブランド牛である「常陸牛」をご賞味あれ!
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