うちのキヨちゃんは、話の飲み込みが悪い。耳が遠いこともあるのだが、思い込みが激しいのか全く話がかみ合わないことがある。そういうときは、私も説明に困りどんどんはまりこんでいく。
一度はこんなことがあった。電話帳を見ていたキヨちゃんが私に聞いた。
「後藤のゴってどう書きよった?」
電話帳で電話を掛ける相手の番号を調べたいのだが、字が分からなかったのだ。
「後ろ」
「う、じゃなくて、ご」
「いや、だから後ろって字。前後ろのうしろ」
そんなやりとりの後、キヨちゃんは平然とこう聞いた。
「ちゃうわ!それは漢字やろ?ひらがな聞きよるんじゃ。」
「・・・・。こ・・・に点々。」
しっかりしろ!と突っ込んだのは言うまでもない。平仮名でいいのか?平仮名で?ていうか、平仮名で「ご」が分からなければ心配である。
先日はこんなことがあった。自宅に仕事の電話があり、急いで電話のところのノートに走り書きした。翌朝会社にメモを持っていくつもりが忘れたので、急いで自宅に電話した。
「電話の棚に赤いノートあるやろ?」
そう聞いたら、キヨちゃんはあっさり
「いや、ない。」
と答えた。
どこかに移した記憶はないし、思いがけない返事にしばらく戸惑った。
「え?そこにあるやろう。赤いノートでよ。あんまり大きくない。」
「ないって言いよるでえ!」
「ほな、私どこか持っていったんかえ?テーブルと、私のベッド見て。」
ありえないと思ったが、一応そう聞いた。もしも動かすとしたらそこくらいしか思いつかない。
「もう!一回切るでよ、気が気でない!」
と切れ気味のキヨちゃん。
しばらくしても連絡がないので、再度掛けてみる。
「ないないない!」
電話の相手も確認せず野第一声。そんなはずはない。
「よう見てや。赤いノートでよ。母ちゃんが自分の血圧書きよるだろ。それと同じ位の大きさで、赤いやつ。ノートって分かる?線が引いてあって、字書く奴でよ。」
「ほなけん、赤い字で何て書いてあるんで?」
・・・・・。
「何も。赤いだけのノート」
「あるよ~。」
・・・・。
「その一番後ろのページに、時間とか書いてない?」
「あ、書いとるよ。」
何だこの展開は。
「だから、さっきから赤いノートがないかって電話しよったろ。」
力無くそう言った私の耳に軽快な笑い声が聞こえてきた。
「はは~。ごめんなしゃ~いい!」
何年子供を努めても、意志疎通は困難である。
ここをクリックしてお立ち寄りください。
一度はこんなことがあった。電話帳を見ていたキヨちゃんが私に聞いた。
「後藤のゴってどう書きよった?」
電話帳で電話を掛ける相手の番号を調べたいのだが、字が分からなかったのだ。
「後ろ」
「う、じゃなくて、ご」
「いや、だから後ろって字。前後ろのうしろ」
そんなやりとりの後、キヨちゃんは平然とこう聞いた。
「ちゃうわ!それは漢字やろ?ひらがな聞きよるんじゃ。」
「・・・・。こ・・・に点々。」
しっかりしろ!と突っ込んだのは言うまでもない。平仮名でいいのか?平仮名で?ていうか、平仮名で「ご」が分からなければ心配である。
先日はこんなことがあった。自宅に仕事の電話があり、急いで電話のところのノートに走り書きした。翌朝会社にメモを持っていくつもりが忘れたので、急いで自宅に電話した。
「電話の棚に赤いノートあるやろ?」
そう聞いたら、キヨちゃんはあっさり
「いや、ない。」
と答えた。
どこかに移した記憶はないし、思いがけない返事にしばらく戸惑った。
「え?そこにあるやろう。赤いノートでよ。あんまり大きくない。」
「ないって言いよるでえ!」
「ほな、私どこか持っていったんかえ?テーブルと、私のベッド見て。」
ありえないと思ったが、一応そう聞いた。もしも動かすとしたらそこくらいしか思いつかない。
「もう!一回切るでよ、気が気でない!」
と切れ気味のキヨちゃん。
しばらくしても連絡がないので、再度掛けてみる。
「ないないない!」
電話の相手も確認せず野第一声。そんなはずはない。
「よう見てや。赤いノートでよ。母ちゃんが自分の血圧書きよるだろ。それと同じ位の大きさで、赤いやつ。ノートって分かる?線が引いてあって、字書く奴でよ。」
「ほなけん、赤い字で何て書いてあるんで?」
・・・・・。
「何も。赤いだけのノート」
「あるよ~。」
・・・・。
「その一番後ろのページに、時間とか書いてない?」
「あ、書いとるよ。」
何だこの展開は。
「だから、さっきから赤いノートがないかって電話しよったろ。」
力無くそう言った私の耳に軽快な笑い声が聞こえてきた。
「はは~。ごめんなしゃ~いい!」
何年子供を努めても、意志疎通は困難である。
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