すずしろ日誌

介護をテーマにした詩集(じいとんばあ)と、天然な母を題材にしたエッセイ(うちのキヨちゃん)です。ひとりごとも・・・。

黒人の競泳選手

2008-08-12 21:35:33 | ひとりごと
 連日北京オリンピックの放送にわくわくしている。いろんな国の人々。聞いたこともない国がまだまだあることに、今更ながら驚かされる。
 先日競泳を観ていたとき、アメリカのリレーのメンバーに一人黒人の選手がいた。そのことで、思い出した話がある。
 昔、スポーツ好きの友人と、あの時もオリンピックを見ていたのだったと思う。ふいに友人がこんな事を言った。
 「なあ、バスケットや陸上に黒人のアスリートが多いのに、競泳にいないの不思議じゃない?」
そう言われてみればそうだ。黒人アスリートはとても多いのに、確かに水泳では見かけなかった。
 「使う筋肉とか・・・違う?」
すると友人はこういった。
 「人種差別がまだあるかららしいよ。」
 彼女の話はこうだった。アメリカにはまだ根強い人種差別がある。黒人の立場は随分よくなって、スポーツやいろんな活躍の場が観られるけれど、今でも「同じところ」にいることをよく思わない人がいる。
 陸上や野球やバスケットはかまわなけれど、同じ水に浸かるのは嫌だ・・・なんてひどいことを考える人もいる。だから、同じプールで泳げない。アスリートが育たない。
 私はその時ひどくショックを受けたのを覚えている。事実かどうか彼女にも分からなかったが、妙に説得力のある話だったからだ。
 そして、それから黒人の競泳選手がいたかどうか定かではないが、私は今年はじめて晴れの舞台で彼を見た。それは、健闘をたたえ合って抱き合うアメリカのチームメイトだけではなく、彼がアスリートに育つ土壌が準備されたということなのだ。
 私の中にも、小さな、もしかしたら誰かにとっては大きな差別があるのだろう。その事を恥じつつ、差別が本当に根絶される日が来るといいなと思った。肩を抱き合った彼らのように、お互いを敬愛できる人類であるといいな。

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コメント (4)
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