二科展の展示場。
磯野慎平が絵を眺めている。
慎平は片手に傘を持っている。
慎平 「……」
ひとつの絵に惹きつけられる。
じっと見る。
慎平は目が痛くなる。
ごしごし、目をこする。
慎平がそんなことをしているうちに、横からもう1人の男が、同じ絵を
眺めに来る。
水原将だ。
彼も傘を持っている。
2人は初対面なので何も話す事はない。
将 「……」
慎平 「……」
しばらく2人でひとつの絵を見ている。
すると将はいきなり鉛筆を取り出し、飾ってある絵に何かを書き込み
始める。
慎平 「!!?」
将は書き続けている。
すぐに係員が現れる。
係員1「何をなさってるんですか!?」
将 「……!!」
将は係員には構わず、鉛筆を振るう。
2人目の係員が止めに入る。
係員2「やめてください!」
慎平は驚くが、騒ぎからは距離をとり、何も出来ず成り行きを見守っ
ている。
係員は2人がかりで将の体を拘束する。
係員2「やめなさい!」
将 「僕の絵なんだから、何したっていいだろう」
係員1「とにかく、鉛筆を放して」
将は諦め、鉛筆を落とす。
将はため息をひとつ吐く。
将 「何ひとつ思い通りにはならない」
係員 「?」
慎平は将のことをじっと見ている。
将はそれに気付く。
将 「…?」
係員1「とにかくこちらへ」
係員達は将を促すが、将はそこを動こうとしない。
慎平 「この絵、あんたが描いたのか?」
将 「…ぅん」
慎平 「凄いな…上手いな、うん。」
将 「うまくない」
慎平 「何でこんなこと…」
係員2「(将に)すみません、こちらへ来ていただけますか?」
将は係員の言葉は完全無視。
将 「分からない…」
慎平 「?」
将 「なんでこんな絵を見に来たのかもわからない」
慎平 「どうゆう…」
将 「お前、面白いツラしてんな。絵、好きなのか?絵を描くか?」
慎平 「え?…まあ少しは…」
将 「ついて来いよ。いいとこ連れてってやる」
慎平 「は?」
将 「いいから来いって」
慎平 「ちょっと待てよ!待てって!」
将は慎平の腕を掴んで強引に連れて行く。
係員2「ちょ…」
係員1「ちょっと!」
係員2「…ちょっと」
将と慎平は退場。
係員は顔を見合わせ首をかしげる。
係員は鉛筆で書き込まれた絵を片付け、退場。
いよいよメインストーリーに入った『ONE EYES』です。
この物語はひと夏の出来事なので、第1場は梅雨の時期、2人とも傘を持っています。
この設定は初演の時と同様です。
けれども細かいストーリーは初演の時とは全く書き換えています。
初演では、道に貼ってある絵画コンクールのチラシを見ていた慎平と将が出逢う、という設定になっています。
初演よりも少し事件性を持たせたつもりなのですが、如何でしょうか?
水原将の性質をこれでより理解していただければ面白くなってくるのですが……
只今ホームページを鋭意製作中です。
そこでは『ONE EYES』の第1幕を発表できるように頑張っているのですが、
なにせ時間がない!
この夏休みである程度公開の目途を立てられたらいいな、と思っています。
よろしくお願いします。
ではでは
磯野慎平が絵を眺めている。
慎平は片手に傘を持っている。
慎平 「……」
ひとつの絵に惹きつけられる。
じっと見る。
慎平は目が痛くなる。
ごしごし、目をこする。
慎平がそんなことをしているうちに、横からもう1人の男が、同じ絵を
眺めに来る。
水原将だ。
彼も傘を持っている。
2人は初対面なので何も話す事はない。
将 「……」
慎平 「……」
しばらく2人でひとつの絵を見ている。
すると将はいきなり鉛筆を取り出し、飾ってある絵に何かを書き込み
始める。
慎平 「!!?」
将は書き続けている。
すぐに係員が現れる。
係員1「何をなさってるんですか!?」
将 「……!!」
将は係員には構わず、鉛筆を振るう。
2人目の係員が止めに入る。
係員2「やめてください!」
慎平は驚くが、騒ぎからは距離をとり、何も出来ず成り行きを見守っ
ている。
係員は2人がかりで将の体を拘束する。
係員2「やめなさい!」
将 「僕の絵なんだから、何したっていいだろう」
係員1「とにかく、鉛筆を放して」
将は諦め、鉛筆を落とす。
将はため息をひとつ吐く。
将 「何ひとつ思い通りにはならない」
係員 「?」
慎平は将のことをじっと見ている。
将はそれに気付く。
将 「…?」
係員1「とにかくこちらへ」
係員達は将を促すが、将はそこを動こうとしない。
慎平 「この絵、あんたが描いたのか?」
将 「…ぅん」
慎平 「凄いな…上手いな、うん。」
将 「うまくない」
慎平 「何でこんなこと…」
係員2「(将に)すみません、こちらへ来ていただけますか?」
将は係員の言葉は完全無視。
将 「分からない…」
慎平 「?」
将 「なんでこんな絵を見に来たのかもわからない」
慎平 「どうゆう…」
将 「お前、面白いツラしてんな。絵、好きなのか?絵を描くか?」
慎平 「え?…まあ少しは…」
将 「ついて来いよ。いいとこ連れてってやる」
慎平 「は?」
将 「いいから来いって」
慎平 「ちょっと待てよ!待てって!」
将は慎平の腕を掴んで強引に連れて行く。
係員2「ちょ…」
係員1「ちょっと!」
係員2「…ちょっと」
将と慎平は退場。
係員は顔を見合わせ首をかしげる。
係員は鉛筆で書き込まれた絵を片付け、退場。
いよいよメインストーリーに入った『ONE EYES』です。
この物語はひと夏の出来事なので、第1場は梅雨の時期、2人とも傘を持っています。
この設定は初演の時と同様です。
けれども細かいストーリーは初演の時とは全く書き換えています。
初演では、道に貼ってある絵画コンクールのチラシを見ていた慎平と将が出逢う、という設定になっています。
初演よりも少し事件性を持たせたつもりなのですが、如何でしょうか?
水原将の性質をこれでより理解していただければ面白くなってくるのですが……
只今ホームページを鋭意製作中です。
そこでは『ONE EYES』の第1幕を発表できるように頑張っているのですが、
なにせ時間がない!
この夏休みである程度公開の目途を立てられたらいいな、と思っています。
よろしくお願いします。
ではでは