#11 遣い(ファーネスの村の外れ・洞窟内)
【SE 水滴の音】
【照明洞窟の中→明転】
時間は早朝
コバルト、ビストローヌ、ドウルフが舞台上にいる
コバルト「この洞窟の中に、コモドドラゴンの巣があるらしい
我が村の民も、時折そのドラゴンから被害を受けている
まだ子供で、なぜか親とはぐれて暮らしているのが救いだ
我々三人の力なら、退治できるはずだな
それにしてもランタンもなく明るいとは、便利な魔法だなあ、ビストローヌ」
ビストローヌは、小さく頷く
コバルト「ドウルフ、お前は震えているのか?」
ドウルフ「そんなことないよ」
コバルト「怖いのか」
ドウルフ「違う!」
コバルト「(微笑・嘲笑)まあよい。おっ、あれがかの巣か?
お前達、行くぞ!」
コバルト達3人は、進む足を速めた
そこに、
カラアーム「あんたたちちょっと待ちなさいよ!」
ビストローヌ「何者!?」
カラアームは回り込んで3人の正面に相対する
コバルト「なんですか、あなたは?」
カラアーム「あんたたちは、これから自分が何をしようとしているのか
分かってるんでしょーね!?」
コバルト「村の為になることだ」
一呼吸
カラアーム「思わず腹の中で笑っちゃったわ
あのドラゴンを殺すことが、村の為になると思ってるのね」
コバルト「もちろんだ。現に被害者だって沢山いる」
カラアーム「あのドラゴンは、セントドラゴンの一種よ。人間に危害を及ぼすことはない」
コバルト「適当なことを言うな。現実に被害の報告が届いている」
カラアーム「大方、ドラゴンの姿に恐れ戦(おのの)いて、慌てて逃げようとした時に転んだとか、
そんなんじゃないの?」
コバルト「なぜ君はそんな事を言い切れるのだ」
カラアーム「人間は、見た目に惑わされ過ぎなのよ
人間が『魔物』と呼ぶような存在の中にも、いろんな性質の種族がいるわ
善きモノだっているし、確かに本当に邪悪なモノもいる」
コバルト「それならどうすればいいのだ?」
カラアーム「あんた、ただ単に、自分が思った通りにしたいだけなんじゃない?
その考えは、決して善いことじゃない。どちらかというとあなた、悪人ね」
コバルト「失礼なことを言うな!」
カラアーム「じゃあ、今日は大人しく帰りなさい
コモドドラゴンは巣の中にいない
この村周辺の風が、変わりつつあるの
ドラゴンはそれを感じ取ったのね。だからこの地を後にした
これから何が起こるのか、ワタシにも予測がつかないわ
(笑って)また会いましょ」
カラアームは、燃え上がる一瞬の炎と共に消えた
ビストローヌ「コバルト、どうする」
コバルト「あんな訳の分からない奴の言うことに惑わされるか
勿論、この先に進むぞ」
ビストローヌ「了解した」
ドウルフは、二人から大分離れた、後ろの方であたりにキョロキョロと
視線を配りながら、ついて行く
三人、退場
【SE 水滴の音】
【照明洞窟の中→明転】
時間は早朝
コバルト、ビストローヌ、ドウルフが舞台上にいる
コバルト「この洞窟の中に、コモドドラゴンの巣があるらしい
我が村の民も、時折そのドラゴンから被害を受けている
まだ子供で、なぜか親とはぐれて暮らしているのが救いだ
我々三人の力なら、退治できるはずだな
それにしてもランタンもなく明るいとは、便利な魔法だなあ、ビストローヌ」
ビストローヌは、小さく頷く
コバルト「ドウルフ、お前は震えているのか?」
ドウルフ「そんなことないよ」
コバルト「怖いのか」
ドウルフ「違う!」
コバルト「(微笑・嘲笑)まあよい。おっ、あれがかの巣か?
お前達、行くぞ!」
コバルト達3人は、進む足を速めた
そこに、
カラアーム「あんたたちちょっと待ちなさいよ!」
ビストローヌ「何者!?」
カラアームは回り込んで3人の正面に相対する
コバルト「なんですか、あなたは?」
カラアーム「あんたたちは、これから自分が何をしようとしているのか
分かってるんでしょーね!?」
コバルト「村の為になることだ」
一呼吸
カラアーム「思わず腹の中で笑っちゃったわ
あのドラゴンを殺すことが、村の為になると思ってるのね」
コバルト「もちろんだ。現に被害者だって沢山いる」
カラアーム「あのドラゴンは、セントドラゴンの一種よ。人間に危害を及ぼすことはない」
コバルト「適当なことを言うな。現実に被害の報告が届いている」
カラアーム「大方、ドラゴンの姿に恐れ戦(おのの)いて、慌てて逃げようとした時に転んだとか、
そんなんじゃないの?」
コバルト「なぜ君はそんな事を言い切れるのだ」
カラアーム「人間は、見た目に惑わされ過ぎなのよ
人間が『魔物』と呼ぶような存在の中にも、いろんな性質の種族がいるわ
善きモノだっているし、確かに本当に邪悪なモノもいる」
コバルト「それならどうすればいいのだ?」
カラアーム「あんた、ただ単に、自分が思った通りにしたいだけなんじゃない?
その考えは、決して善いことじゃない。どちらかというとあなた、悪人ね」
コバルト「失礼なことを言うな!」
カラアーム「じゃあ、今日は大人しく帰りなさい
コモドドラゴンは巣の中にいない
この村周辺の風が、変わりつつあるの
ドラゴンはそれを感じ取ったのね。だからこの地を後にした
これから何が起こるのか、ワタシにも予測がつかないわ
(笑って)また会いましょ」
カラアームは、燃え上がる一瞬の炎と共に消えた
ビストローヌ「コバルト、どうする」
コバルト「あんな訳の分からない奴の言うことに惑わされるか
勿論、この先に進むぞ」
ビストローヌ「了解した」
ドウルフは、二人から大分離れた、後ろの方であたりにキョロキョロと
視線を配りながら、ついて行く
三人、退場