【ファミ劇日誌 ミニ】
第82話 49.02.08 最後の標的
この作品はジーパンの刑事としての成長過程として最後の試練なのですが、
そこに文学座の重鎮・北村和夫氏を据えます。
本庁での拳銃の神様・根来。
ゴリさんの拳銃の師匠でありながら、現在はデスクワークに廻されていることと、足を引き摺っていることで哀愁を漂わせる老練刑事ですが、何故か最初からジーパンに食いつきますが、あれは完全に出会いの奇遇というやつで、丁度自分が犯人を射殺した事件がリフレインしていたジーパンには丁度良かったのかもしれません。
でも、あれだけ拳銃の重要さを痛感しながら、まだ拳銃を持つことを快しとはしなかったジーパンも頑固ですが、そのジーパンに何故か拘る根来も解らないところがある。
ひよっこ扱いするかと思えば、真っ向から対決姿勢を見せたり・・・そもそも出会ったときから根来自身はもう計画を遂行しようとしていたわけですから、矛盾しているように見えますが・・・そもそもあの殺人計画自体が根来の本意ではなく、ジーパンにみっちり特訓を仕掛けるような姿勢が本意だったのでは・・・自分の死期を悟って、サイコロを振ってしまって止めることをしなかった(出来なかった)根来が、唯一、本来の自分の意思をジーパンに託したのでは・・・。
いろんな意味で、根来という男は太陽歴代登場人物の中でも複雑な人間だったと思います。
その根来に対抗したジーパンも大した男です。
早々に根来に対して疑念を持ちながら、根来の特訓に耐えていたわけですから・・・本来であれば師匠と弟子という関係性が生まれるところなのが、ジーパンのある意味ひとつの持ち味であるドライな部分が表面立った感じがします。
でも、もしジーパンが殉職しなかったらどういう刑事になっていたんでしょうかね・・・相当キレ者の敏腕刑事になっていたことでしょう。
それこそ、ボス以上の。
今回、ジーパンは新たな相棒を手にします。
S&Wミリタリーポリス22口径。
命中精度は高いが殺傷能力は低い。
人を殺したくないジーパンが選んだ銃としては最良の判断だったと思いますが、根来の家でその写真を観たときのジーパンの食い入りと、無断で持ち出した拘りも凄い。
22口径の拳銃はほかにもありますが、この拳銃を選択したのは命中精度が高い部分だったと思います。