~暮らしの中の小さな幸せ~

ログハウスに住みながら・・・
日々の暮らしと趣味の色々を綴ります

秋の山陽本線一人旅 ~鞆の浦編 ①~

2018年11月01日 | 鉄旅
旅の続きです。

10月20日(土)10時過ぎ宮島から広島駅に到着
前日、広島カープがクライマックス進出を決めたので
さぞかし駅も真っ赤に染まっているだろうと思ったら
人は多いものの横断幕も何もなく少し期待外れでした(笑)

10:59 新幹線こだま736号に乗り換え福山へ
福山駅で荷物をコインロッカーに預け駅前からバスで鞆の浦に向かいます

土曜日でもありバスの車内はほぼ満席
暫くすると車窓から瀬戸内海の海が見えてきました。

昨日は天気が悪く乗車した山陽本線で見れなかった青い海
(乗車前にちゃんとチェックし海が見える左側に座りましたヨ~)
公共機関の旅は美しい景色を見逃さないためにも座る場所が大事です

約30分で鞆の浦に到着すると一番にブロ友のisさんお勧めのお店へ向かいましたが
昼時の店内は満席で少し時間をつぶすためブラブラ
同じ通りにあった昭和を感じる建物

あえて白黒にしてみました。

昭和初期の雰囲気の信金

今は空き家のビルでしょうか?

有名でもないこのような建物にも哀愁を感じるのはやはり歳をとったせい?

こちらはもっと古そうな「鞆酒造」

店主の奥様らしき女性が色々説明していただきました。

明治十二年からある老舗

保命酒とは・・・

江戸時代から鞆の地で造られている伝統の薬味酒で
13種類の漢方薬と麹米・もち米・焼酎を合わせた十六味を漬け込んだ和製リキュール
(アルコール度数14%)

試飲もさせてもらいましたが甘くトロッと養命酒の味(?)
炭酸でも割ってもいいそうです。(後日調べると牛乳割りも美味しいとか?)

薬草が入り冷えや夏バテ、疲労回復などに効果があるといわれています。
現在、保命酒は広島県福山市鞆町にある4つの保命酒屋でしかつくられていないそうで
冷え性の姪っ子や産後のお嫁ちゃん、長男のお嫁さん、自分用と一番小さな瓶を4本購入

店内に飾られた写真を見ると昔は鞆の浦にも窯元があり
保命酒を作るための大きな壺を作っていたそうです。
店内には深さ150cmほどの壺が埋められて金魚が泳いでいました(笑)
下から二段目の一番左はその窯で焼かれた古い焼き物だとか?

最初に重たい土産を買ってしまったのですが店の方のご厚意で預かってもらい
13時過ぎ、isさんお勧めのお店へ向かいました

昭和の匂い漂う店構えの「おてび」

店名は日本三大火祭りのひとつ沼名前神社の「お手火神事」にちなんだものらしく
屋根の上にあるのが神事に使われる「おてび」かな?
最近こんなお店が好きで一人でも尻込みすることなく入店できるようになりました(笑)
小さな店内はほぼ満席ですが空いたカウンター席に座り・・・
お勧めを聞くと「おてびのそば」も美味しいと聞きましたが
悩んだ結果「小魚定食」もちろん生ビール付きです(笑)

エビ・フグ・ネブト(テンジクダイ)の唐揚げや小魚の甘露煮
冷えてますがビールのつまみ&ご飯のおかずになります。
隣り合わせた中年男性やお店の人と話が出来るのも一人旅だからこそ
昭和の大衆食堂の雰囲気を十分満喫しました。

食事を終える頃には店内は私一人、許可を得て写真を撮らせてもらいました。

カウンターに並んだおふくろの味の料理の数々
地元の人にとっても夜遅くまで呑める憩いの場所のようです。

ドラマの撮影にも使われる鞆の浦、芸能人もたくさん訪れてるようですネ~
isさん良いお店を教えていただきありがとうございました。

さて、お腹もいっぱいになり運動のために鞆の浦が見渡せる医王寺に向かいます

行きは良い良い帰りは?膝の調子を心配しながら・・・
徒歩10分ほどで到着

頑張って歩いたご褒美の景色

鞆の浦の名所「常夜灯」もバッチリ見えます。

美しい瀬戸内海の海

遠くに見えるのは四国?

医王寺の一番上から・・・

さすがに観光客はほとんどいません。
ずっと眺めていたい景色です。

帰りは苦労しながらジグザグに坂道を下り・・・
「膝が悪いのでお先にどうぞ~」とイケメン兄さんに追い越してもらうと
「大変ですネ~気をつけて」と優しく声をかけてもらい
う~ん、膝が悪いのも案外悪くないかもネ~(笑)

街中に戻り国の重要文化財「大田家住宅」を見学

1655年に大阪から鞆に移り住んだ中村吉兵衛が「保命酒」の製造・販売を始め
江戸時代中期から後期にかけて中村家が拡張・増築していったものですが
明治に入って廻船業を営んでいた太田家に継承され今日に至っています。
ボランティアの方から詳しく説明して頂きました。
戦時中、空襲にも遭わず災害も無かったので今もそのまま残っているそううです。

入口の扉は跳ね上げ式

市松模様のモダンな土間

4枚だけ残っていた当時のもの(隅の方にありました)を参考に復元されたそうです。

土間の網代天井や明り取りのの窓

この明り取りの障子は下がってる紐を引くと開閉ができます。

屋内の赤い壁は江戸中期のもので家族の部屋家人の部屋

白い壁は来客用として 江戸の後期に建て増しした部屋

庭が額縁の中の絵に見える工夫など細かい所に「粋」を感じます。
住宅内には茶室が多く、炉を切った部屋が4つあり
この日は翌日のお茶会のための準備がされていました。

壁を利用した番傘収納

現代でも使えそうなアイデアかも?

さて、これはなんでしょうか?

厠の前にあるのですが・・・正解は音消し壺
壺の下の方にある小さな栓を抜くと水が上に向かって
チョロチョロと流れ出る音で用を足す時の音を消す
現代で言う女子トイレにある「音姫」なのです。
江戸時代にこんなものが作られていたとは驚きです

お風呂場の一部もモダンなタイル貼り


母屋の裏にはナマコ壁の保命酒蔵が当時のままの姿であります。

広い蔵の中には大きな壺がズラリ

ここで保命酒が作られていたんですネ~

歴史は苦手な私ですが・・・
貴重な建造物の数々はとても興味深く
充実の大人の社会科見学に大満足でした。

大田家住宅の道向かいも大田家別邸「朝宗亭」

大田家住宅を隅々まで見学し中村吉兵衛さんって
客人をもてなす優しい心に満ち溢れ、煌びやかさではない粋でモダンな本物志向
快適さばかり追い求める現代人が忘れている大切なモノを持っていたのでしょうネ~

鞆の浦散策はたっぷり4時間半ほどあるのでまだまだ終わりそうにありません。
ということで次回に続きます。


本日も長々とお付き合いいただきありがとうございました