竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

手足あることの暗さを衣被 塩野谷仁

2019-08-28 | 今日の季語


手足あることの暗さを衣被 塩野谷仁


難解なと思えば難解、なーんだそうかと軽い解釈も可能だ
私は軽い解釈をして好もしい一句としている

手足あるが故の不自由、手足なきことの不自由
どこに変わりがあるというのか

衣被との取り合わせに変わる者は見当たらない
(小林たけし)

【衣被】 きぬかつぎ
里芋のこぶりなものを皮のまま塩味でゆでたもの。名月に欠かすことができない。主として関東の風習で、茶店に用意してある。

例句 作者


つみとがは人にこそあれ衣被 長峰竹芳
悉く全集にあり衣被 田中裕明
東京に何の負ひ目ぞ衣被 亀田蒼石
母の忌の一男六女衣被 伊藤保子
衣かつぎが好きで抜けない国訛 佐々木栄子
衣かつぎ盛られ小石の顔となる 高桑婦美子
衣被つるりと今日の終りかな 山口伸
衣被ほこほことある妻の膝 松本詩葉子
衣被我とおぼしき夜さりの老 武田伸一
衣被月には被きしままがよし 荻野千枝