竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

マフラーやうれしきまでに月あがり 岸本尚毅

2020-12-02 | 今日の季語


マフラーやうれしきまでに月あがり 岸本尚毅

欲しかったマフラーを手に入れて
弾む心で夜道を歩く
冬の満月がこうこうとして明るい
作者の息遣いまで感じられる
吐く白い息もみえてくる
(小林たけし)


【襟巻】 えりまき
◇「マフラー」
防寒のため首に巻くもの。毛糸、絹、毛皮などが素材。現在は「マフラー」の呼称が一般的。

例句 作者

襟巻やうしろ妻恋坂の闇 小川千賀
襟巻やしのぶ浮世の裏通り 永井荷風
汽車にねむる襟巻をまきかへにけり 川上梨屋
襟巻の紅きをしたり美少年 尾崎紅葉
襟巻やほのあたたかき花舗のなか 中村汀女
襟巻の狐の顔は別に在り 高浜虚子
襟巻や思ひうみたる眼をつむる 飯田蛇笏
風の子となるマフラーの吹流し 上田五千石
襟巻の狐が抱くナフタリン 桃澤正子
霧ひらく赤襟巻のわが行けば 西東三鬼