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マフラーやうれしきまでに月あがり 岸本尚毅
欲しかったマフラーを手に入れて
弾む心で夜道を歩く
冬の満月がこうこうとして明るい
作者の息遣いまで感じられる
吐く白い息もみえてくる
(小林たけし)
【襟巻】 えりまき
◇「マフラー」
防寒のため首に巻くもの。毛糸、絹、毛皮などが素材。現在は「マフラー」の呼称が一般的。
例句 作者
襟巻やうしろ妻恋坂の闇 小川千賀
襟巻やしのぶ浮世の裏通り 永井荷風
汽車にねむる襟巻をまきかへにけり 川上梨屋
襟巻の紅きをしたり美少年 尾崎紅葉
襟巻やほのあたたかき花舗のなか 中村汀女
襟巻の狐の顔は別に在り 高浜虚子
襟巻や思ひうみたる眼をつむる 飯田蛇笏
風の子となるマフラーの吹流し 上田五千石
襟巻の狐が抱くナフタリン 桃澤正子
霧ひらく赤襟巻のわが行けば 西東三鬼
襟巻やうしろ妻恋坂の闇 小川千賀
襟巻やしのぶ浮世の裏通り 永井荷風
汽車にねむる襟巻をまきかへにけり 川上梨屋
襟巻の紅きをしたり美少年 尾崎紅葉
襟巻やほのあたたかき花舗のなか 中村汀女
襟巻の狐の顔は別に在り 高浜虚子
襟巻や思ひうみたる眼をつむる 飯田蛇笏
風の子となるマフラーの吹流し 上田五千石
襟巻の狐が抱くナフタリン 桃澤正子
霧ひらく赤襟巻のわが行けば 西東三鬼