
音楽に涙湧きたり年惜しむ 沢木欣一
作者にとっての今年は特別の感慨の年だったようだ
あるいは年寄るごとにふりかえる来し方に深い想いがつのるのか
どの音楽を聴いてもその調べににひとつひとつのシーンが浮かぶ
涙をともなうものが多いのは何故だろう
その涙は悲しいものばかりではない
(小林たけし)
【年惜しむ】 としおしむ(・・ヲシム)
◇「惜年」
今年も残り僅かになったとの感慨を表す言葉。陰暦では「冬惜しむ」と同義に用いられたようだが、今では当てはまらない。しかし、過ぎ行く年を惜しむ心は、そのまま過ぎ行く歳を惜しむ心でもあった。
例句 作者
雨だれの大きなたまの年惜しむ 安住 敦
年惜しむ心うれひに変わりけり 高浜虚子
年惜しむことで足らひし誕生日 能村研三
鉄瓶の蓋切りて年惜しみけり 久保田万太郎
年惜しむあとは署名をするだけの 森早和世
来し方を悔い無しとして年惜しむ 原和子
窓あけて年を惜しめば沖に月 佐野まもる
窓ぬぐふ人惜しみ年惜しむとき 五十嵐秀彦
雨だれの大きなたまの年惜しむ 安住 敦
年惜しむ心うれひに変わりけり 高浜虚子
年惜しむことで足らひし誕生日 能村研三
鉄瓶の蓋切りて年惜しみけり 久保田万太郎
年惜しむあとは署名をするだけの 森早和世
来し方を悔い無しとして年惜しむ 原和子
窓あけて年を惜しめば沖に月 佐野まもる
窓ぬぐふ人惜しみ年惜しむとき 五十嵐秀彦