竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

乾く音一本調子に炭切らる 山尾かづひろ

2020-12-20 | 今日の季語


乾く音一本調子に炭切らる 山尾かづひろ

炭を切る情景がよく見える
切られる炭の音まで聞こえてくる
昭和期の残像はまなうらに焼ついている
瞬間移動のようによみがえった
(小林たけし)


【炭】 すみ
◇「木炭」 ◇「堅炭」(かたずみ) ◇「白炭」 ◇「備長」(びんちょう) ◇「炭挽く」 ◇「粉炭」 ◇「佐倉炭」
樹木の幹、枝を蒸し焼きにしてつくった燃料。楢、樫などがつかわれる。

例句 作者

「準備中」炭で炭割る音がする 佐藤二千六
いつまでの戦火埋火深くする 鳥巣徳子
ぼやを焚く火の盛んなり母は亡し 太田継子

人間も宇宙も進化炭をつぐ 播磨穹鷹
埋み火を掘り起こしゐる妣を見し 八島岳洋
埋火に三行書きしままの文 船矢深雪
埋火に夕日の戻る頃のあり 杉野一博
埋火のほか父の眼を知らざりし 中村正幸