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乾く音一本調子に炭切らる 山尾かづひろ
炭を切る情景がよく見える
切られる炭の音まで聞こえてくる
昭和期の残像はまなうらに焼ついている
瞬間移動のようによみがえった
(小林たけし)
【炭】 すみ
◇「木炭」 ◇「堅炭」(かたずみ) ◇「白炭」 ◇「備長」(びんちょう) ◇「炭挽く」 ◇「粉炭」 ◇「佐倉炭」
樹木の幹、枝を蒸し焼きにしてつくった燃料。楢、樫などがつかわれる。
例句 作者
「準備中」炭で炭割る音がする 佐藤二千六
いつまでの戦火埋火深くする 鳥巣徳子
ぼやを焚く火の盛んなり母は亡し 太田継子
人間も宇宙も進化炭をつぐ 播磨穹鷹
埋み火を掘り起こしゐる妣を見し 八島岳洋
埋火に三行書きしままの文 船矢深雪
埋火に夕日の戻る頃のあり 杉野一博
埋火のほか父の眼を知らざりし 中村正幸
「準備中」炭で炭割る音がする 佐藤二千六
いつまでの戦火埋火深くする 鳥巣徳子
ぼやを焚く火の盛んなり母は亡し 太田継子
人間も宇宙も進化炭をつぐ 播磨穹鷹
埋み火を掘り起こしゐる妣を見し 八島岳洋
埋火に三行書きしままの文 船矢深雪
埋火に夕日の戻る頃のあり 杉野一博
埋火のほか父の眼を知らざりし 中村正幸