竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

水仙や男をまたぎ水飲みに 小林貴子

2020-12-24 | 今日の季語


水仙や男をまたぎ水飲みに 小林貴子

水仙の咲いている池辺の二人だろうか
跨ぐというのだから男は寝転んでいるカタチか
冬の池べり これはありえない
この男との別離の心象だろうか
水を飲みに これが作者の結論なのだろう
(小林たけし)


【水仙】 すいせん
◇「水仙花」
地中海沿岸が原産地と言われる。高さ20~40cmの鱗茎を持つ多年草。花季は2~4月で、蕾は上向きだが、開花すると横を向く。寒い時にいさぎよく咲く、清楚な花である。牧童ナルシスが水面に映る自らの美貌に見とれて動かず、とうとうスイセンになったというギリシャ神話を思い出させる。


例句 作者

水仙や眼は愛にして濡れるなり 原子公平
水仙をどさつと活けて銃砲店 星野和子
水仙をまはり水底へ行く如し 藤田湘子
水仙をよくよく見たる机かな 桂信子
水仙を千切るこの世のうす濁り 竹本健司
水仙を手前に出まかせばかり 成宮颯
水仙を明晰という夜明けかな 堀之内長一
水仙を活けてしばらく正座する 大竹照子