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水仙や男をまたぎ水飲みに 小林貴子
水仙の咲いている池辺の二人だろうか
跨ぐというのだから男は寝転んでいるカタチか
冬の池べり これはありえない
この男との別離の心象だろうか
水を飲みに これが作者の結論なのだろう
(小林たけし)
【水仙】 すいせん
◇「水仙花」
地中海沿岸が原産地と言われる。高さ20~40cmの鱗茎を持つ多年草。花季は2~4月で、蕾は上向きだが、開花すると横を向く。寒い時にいさぎよく咲く、清楚な花である。牧童ナルシスが水面に映る自らの美貌に見とれて動かず、とうとうスイセンになったというギリシャ神話を思い出させる。
例句 作者
水仙や眼は愛にして濡れるなり 原子公平
水仙をどさつと活けて銃砲店 星野和子
水仙をまはり水底へ行く如し 藤田湘子
水仙をよくよく見たる机かな 桂信子
水仙を千切るこの世のうす濁り 竹本健司
水仙を手前に出まかせばかり 成宮颯
水仙を明晰という夜明けかな 堀之内長一
水仙を活けてしばらく正座する 大竹照子
水仙や眼は愛にして濡れるなり 原子公平
水仙をどさつと活けて銃砲店 星野和子
水仙をまはり水底へ行く如し 藤田湘子
水仙をよくよく見たる机かな 桂信子
水仙を千切るこの世のうす濁り 竹本健司
水仙を手前に出まかせばかり 成宮颯
水仙を明晰という夜明けかな 堀之内長一
水仙を活けてしばらく正座する 大竹照子