
いちまいの銀箔のごと寒波来る 富川直芳
目に見えるはずもない寒さを
おしよせる波のようだと表現する
日本人の感性は深くきれいで雅な感じさえする
作者はそれに重ねてその波を銀箔と捉える
これに勝る表意を知らない
(小林たけし)
寒波】 かんぱ
◇「寒波来る」 ◇「冬一番」
マイナス30度、40度といったシベリヤ付近の寒気団が日本列島まで南下してくると、急激に気温が低下する。これが何度も周期的に波のように押し寄せるのである。一気に5度も10度も気温が下がることも珍しくない。大景を詠んだ作例が多い。
例句 作者
ぱりぱりの星が落ちそう寒波くる 十河宣洋
双頭の蛇解け脛をのぼる寒波 瀧春樹
寒波急日本は細くなりしまま 阿波野青畝
寒波来るばりばり破く包装紙 田中朋子
寒波来る夜の闇にゐて眼(まなこ)病む 大西岩夫
寒波来る日本列島軋ませて 中島美代子
月煌々寒波の都会砂漠めく 井上純郎
海融けがたしまなじりに寒波急 諸角和彦
片足立つ鷺しんしんたる寒波 石黒英進
百獣の雄叫び分だけ寒波来る 長内博
ぱりぱりの星が落ちそう寒波くる 十河宣洋
双頭の蛇解け脛をのぼる寒波 瀧春樹
寒波急日本は細くなりしまま 阿波野青畝
寒波来るばりばり破く包装紙 田中朋子
寒波来る夜の闇にゐて眼(まなこ)病む 大西岩夫
寒波来る日本列島軋ませて 中島美代子
月煌々寒波の都会砂漠めく 井上純郎
海融けがたしまなじりに寒波急 諸角和彦
片足立つ鷺しんしんたる寒波 石黒英進
百獣の雄叫び分だけ寒波来る 長内博