
住職がまじっておりぬ薬喰 川辺幸一
薬食と称して怪しい食材をこわごわと食することに解されるが
本来は肉食をひそかに味わうことだったようだ
掲句はその句意にふさわしい
また俳味もあって愉しめる
(小林たけし)
【薬喰】 くすりぐい(・・グヒ)
薬と称してひそかに獣肉を食すこと。肉食をしなかった時代の語。
例句 作者
たべ足りし箸をおきけり薬喰 富安風生
まつくらな山を背負ひぬ薬喰 細川加賀
蘭学の書生なりけり薬喰 正岡子規
ラヂオより浅間火噴くと薬喰 村山古郷
妻や子の寝顔も見えつ薬喰 蕪村
つくつと笑ひはじめぬ紅葉鍋 伊東辰之亟
ここよりは男入れず薬喰 白田哲三
シリウスの青眼ひたと薬喰 上田五千石
薬喰いつよりか身に闇及ぶ 久保純夫
薬喰女は指先より老いて 金山桜子
たべ足りし箸をおきけり薬喰 富安風生
まつくらな山を背負ひぬ薬喰 細川加賀
蘭学の書生なりけり薬喰 正岡子規
ラヂオより浅間火噴くと薬喰 村山古郷
妻や子の寝顔も見えつ薬喰 蕪村
つくつと笑ひはじめぬ紅葉鍋 伊東辰之亟
ここよりは男入れず薬喰 白田哲三
シリウスの青眼ひたと薬喰 上田五千石
薬喰いつよりか身に闇及ぶ 久保純夫
薬喰女は指先より老いて 金山桜子