皹(あかぎれ)といふいたさうな言葉かな 富安風生
日本語の見事な表現にはいつも感心させられるg
「あかぎれ」とは
掲句はその言葉のひびきだけで1句をものにしたもの
だれもがうなずく他はない
(小林たけし)
【胼】 ひび
◇「胼薬」 ◇「あかがり」 ◇「皹」(あかぎれ) ◇「霜焼」(しもやけ) ◇「霜腫」(しもばれ)
手足の皮膚に出来る細かい亀裂を「胼」、皮膚の裂傷を「皸」、また軽度の凍傷を「霜焼」という。いずれも寒気で血液循環が悪化することによる。
例句 作者
霜焼の柔かき手にたよられし 安部みどり女
闇ふかくにほへり妻の胼薬 栗田九霄子
妻の手のいつもわが辺に胼きれて 日野草城
買ひためて信濃の子等へ胼薬 加藤楸邨
皸の娘のほてる手に触はられぬ 飯田蛇笏
胼の手をあはせて拝むほとけかな 橋本鶏二
皸といふいたさうな言葉かな 富安風生
谷に夜が来て胼薬厚く塗る 村越化石
霜やけの子どもねむればねむくなる 飴山 實
アカギレを知らず月光仮面を知らず 鈴木砂紅
一段とおしゃべり今夜の皸 鈴木砂紅
燃えろかんてき妻とはこんなに荒れた指か 阪口涯子
皸や動きはじめた汽車があり 杉野一博
霜焼の柔かき手にたよられし 安部みどり女
闇ふかくにほへり妻の胼薬 栗田九霄子
妻の手のいつもわが辺に胼きれて 日野草城
買ひためて信濃の子等へ胼薬 加藤楸邨
皸の娘のほてる手に触はられぬ 飯田蛇笏
胼の手をあはせて拝むほとけかな 橋本鶏二
皸といふいたさうな言葉かな 富安風生
谷に夜が来て胼薬厚く塗る 村越化石
霜やけの子どもねむればねむくなる 飴山 實
アカギレを知らず月光仮面を知らず 鈴木砂紅
一段とおしゃべり今夜の皸 鈴木砂紅
燃えろかんてき妻とはこんなに荒れた指か 阪口涯子
皸や動きはじめた汽車があり 杉野一博