ロサンゼルス近郊の複数地域で発生した山火事による被害は過去にないもののようで、何故そうなってしまったのか、について背景を探ってみました。
乾燥した強風が吹いていた、と言う事も当然あるのですが、ネットなどで確認できた事では「もう10カ月もまとまった雨が降ってない」とか「去年の5月以降、まとまった雨が降ってない」とかの内容が有りましたので、かなり森林や敷地内の植物や建物などがかなり乾燥していた事が容易に推定できます。
ではロサンゼルスに限らず、カリフォルニアの山火事について調べてみると、次のようなもののようです。
引用開始(一部抜粋)
カリフォルニア山火事の一覧 - Wikipedia
カリフォルニア山火事の一覧は、アメリカ合衆国カリフォルニアにおける山火事の一覧である。 カリフォルニアは、春から秋にかけて乾燥し、風が強く、気温も暑くなりやすいため火事が発生しやすい地域である。この時期は、サンタアナ風と悪魔の風(内陸のディアブロ山(英語版)の向こう側の高気圧から海に流れる風)と呼ばれる強く乾燥した風が流入することで、被害と火の勢いが増す。
著名な火事
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1932年以降に記録され始めたカリフォルニア州森林保護防火局の情報で規模の大きな山火事を示す。
- オーガスト複合火災(英語版) ‐ 2020年に発生した複数個所で起きた火災。2021年時点の統計で1位の規模となる[1][2]。
- Dixie Fire(英語版) - 2021年に起きた火災。2021年時点の統計で2位の規模[2]。
- メンドシノ複合火災(英語版) - 2018年に発生した複数の火災をまとめた火災。2001年の統計時点で3位の規模[2]。
- en:Rush Fire - 2012年8月、315,577 ac (127,709.5 ha)(そのうち、ネバダ州:43,666エーカー (177 km2))
- en:Thomas Fire - 2017年12月、281,893エーカー (1,141 km2)[3][4](カリフォルニア州単独で見れば史上最悪の燃焼範囲[5]。)
- en:Cedar Fire -2003年10月 280,278 ac (113,424.5 ha)、建築物2,820、死者15人(初心者ハンターの射撃による人為的な火災)
引用終了
当然他にも山火事は有ったのですが、目立つものは上記の通りです。
それでこれらに共通しているのは何か?と調べると、
引用開始(一部抜粋)
エルニーニョ・南方振動 - Wikipedia
2002年夏 - 2002/2003年冬 | エルニーニョ |
(中略)
(中略)
2011年秋 - 2012年冬 ラニーニャ
(中略)
2017年秋 - 2018年春 ラニーニャ
(中略)
(中略)
2020年夏 - 2021年春 ラニーニャ
(中略)
2021年秋 - 2022/2023年冬 ラニーニャ
(中略)
引用終了
このうち
2002年夏 - 2002/2003年冬 | エルニーニョ |
と言うのは2002年後半の冬から2003年前半の冬と言う事だったようで、2003年の秋にはエルニーニョでは無かった事になります。
また2018年の山火事は「メンドシノ複合火災」と言われ、これは2018年の7月に発生しました。
この時はラニーニャではないもののエルニーニョでも無かったわけです。
と言う事でカリフォルニア州での上記の顕著な山火事のについて、はエルニーニョであった事は一度も有りませんでした。
そして更にハリウッドスターら数千人が避難した2007年11月の山火事が有るのですが、 これも2017年秋 - 2018年春のラニーニャの期間にあたります。
これらの事から「ラニーニャの期間か、そうでなくとも少なくともエルニーニョではない時にカリフォルニアで目立つ山火事が発生する」、と言う傾向則が見いだされます。
そして「では何故そうなるのか?」ですが、次のような海水温度の傾向からすると納得が行きます。
引用開始(一部抜粋)
気象庁 | エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
エルニーニョ/ラニーニャ現象とは
引用終了
と言う事でラニーニャの期間ではカリフォルニアの西側海域の海水温度平年偏差は低くなり、エルニーニョ期間では高くなります。
多くの方が御存知の通り、海水温度が低いような海流が来るようなエリアでは少雨で乾燥、砂漠地帯が多く、例えばチリ、オーストラリア西部、北米西部などです。
昨今は日本海域で海水温度の上昇で豪雨や豪雪になる事が多いのと逆の現象ですね。
そんなわけで今回のロサンゼルス近郊の大規模な山火事も今も続いているラニーニャ期間と関係あると考えるのは当然かと思われます。
そして結果論かも知れませんが、ある程度の費用や手間などをかけて山火事対策をしていれば今回のような損害を多少は防げていたかも知れません。