武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

2人で映画「ボッカチオ’70」を見る

2011-12-13 20:41:31 | Weblog
ボッカチオ'70 HDニューマスター版 [DVD]
クリエーター情報なし
エスピーオー


イタリアにはまっている。
読んでいる本は、「ローマ人の物語」著・塩野七生。文庫本なのだが、やっと30巻読破中。
絵画教室の授業は、テンペラ。イタリアルネッサンスの頃の絵の模写。
頭の中でリフレインする言葉は、「質実剛健」と「人は見たいと思う現実しか見ない」

最近知ったことは、「キリストは、褐色の肌(黄色人種)に黒い髪」であったという事。

どんな映画かは全く知らず「ボッカチオ」という単語がイタリアのパン「ホカッチャ」と似ていたことから、イタリアの古典劇かなぁ~とかりてしまった。監督の名前を見るとフェデリコ・フェリーニ、ルキノ・ヴィスコンティ、ヴィットリオ・デ・シーカと知った巨匠達が勢揃い。よし、見てみようということに。

第一話「レンツォとルチア-ナ」
工場から人・人・人と昼休みに出てくる人の中の2人は、昼休みに結婚式を大急ぎで済ませるシーンから、若い恋人2人は不機嫌で、花嫁は用事をすませる如くせからしい。若い2人は、お金がないので共働きするしかないので、会社(結婚したら女性は仕事を辞職しなければならない規則がある)に内緒で結婚して、妻の実家で暮らすが、家族が多くて新婚生活どころではないのである。やたら女性は、夫にあれこれとうるさく言い、見ていても「あんたが黙れば、ちょっと落ち着くのだ」と言いたくなる。話しているのは、ほとんど妻で男性は頷いてばかり。
そんな事を思った時、急にわたしは顔が赤くなった。
「これって、わたしじゃないか・・・・」上気した顔がさらに熱くなった。
実はヒロクニさんとわたしの喧嘩は、いつもわたしが口うるさく言うのだ。
自分の姿を客観的に見ると恥ずかしい・・・・・。
しかし、映画の中の2人は、その会社を辞め、転職して、新居に移り、仕事の時間帯でのすれ違い生活をしながらでも、力をあわせて、やっぱり2人がいいね。と終わります。

第2話「アントニオ博士の誘惑」
これは、お堅い道徳に固まった老年のアントニオ博士が、豊満な女性(アニタ・エバーグ)を描いた看板を不謹慎だと抗議するが、誰にも相手にされず、看板を見続けているうちに、看板から出てきた巨大なアニタ・エバーグにもてあそばれる。
フェリーニをいまひとつ面白く思えなくなった自分は、いったいどうしたものであろうか?最近の謎です。「サテリコン」も見ましたが、なぜか気分が萎えたのです。

第3話「仕事中」
これは、ヴィスコンティならではの映画。家具調度品の素晴らしいこと。説明されなくても、貴族の話だとわかってしまう。もう、じ~と画面に出てくる置物や絵画、部屋を眺めているだけでも値打ちがある。貴族の夫婦の痴話喧嘩なのだけれど、やはり女性は怒っている。貴族というのは、暇なので余計に怒りっぽい。その上、召使がいるから怒ることに集中できるのですね。怒ったあげく女性は「仕事をする」と言い出すのですが、召使に「仕事は楽しい?」と問うとその返事を濁したので「楽しくないの?」と聞き返す始末。
ヒロクニさんは、映画でも女性が怒る場面に敏感で「よく怒る女だねぇ」「こわいねぇ」「なんで怒ってんだ?」とその事に集中している。「この女優だれ?」「ロミー・シュナイダー」と答える。すると「なんか、怖い」という。
「ロミー・シュナイダーにシャネルの服が似合うこと。見ているだけで、素敵な気分」と思っている横で「怖いよ。かあちゃん」みたいに言われると、げんなりした。「もうちょっと、贅沢を鑑賞しなさい!!」と、ヒロクニの旦那言いたくなった。

第4話「くじ引き」
くじ引きで、ソフィア・ローレンの肉体をなんとしても射止めようとするオトコ達の姿が滑稽な話。
イタリアだから笑い話になるのだと思う。日本人がこんな映画を作ることはまずないだろう。
ソフィア・ローレンがいなくては絶対だめ。ヒロクニさんはクスクス笑っていました。
そして、「ソフィア・ローレンっていいなぁ」と終わったあとに一言。

ヒロクニさんは「くじ引き」を楽しそうに見ていた。
わたしは「レンツォとルチア-ナ」と「仕事中」が好きですね。

男と女の揉め事を一歩ひいて、上空からながめると微笑ましい光景かもしれない。
自分で言うのもなんだが、ヒロクニさんとわたしも微笑ましい夫婦かもしれないなどと思うのでした。

コメント
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