夕焼けに、郷愁をおびたヒコーキが・・・・。
このヒコーキは、人格がある。
ヒコーキは、ヒロクニさんにかかると、人間に近い存在に変わってします。
ひどい言い方だか、「昆虫のバッタ」を似ていて可愛い。
幼少の頃、戦争中であったので、ヒコーキをよく見たという。
空中戦などを見ていた時は、絵空事のようで実感がなく、非常にカラッとした風景に写ったようです。
命の関わる事態でない限り、いつも絵空事のような感じであったらしい。
ヒロクニさんが、小学生の頃の話です。
私はヒロクニさんに「子供より、両親が大変だったと思うよ」と言います。
ヒロクニさんの父は、満州の方に行っていたらしい。
ヒロクニさんがいうには、事務をしていたから戦闘には行っていなかったらしく、
手紙がよく届いたということです。
母親は、学校の教師だったので、空襲が来るたびに防空壕へ子供達を動員する役割をしていたそうです。
この頃の親御さんは、皆大変だったろうと思います。
ヒロクニさんの母は、高給な大島紬を持っていたらしく、
それも食料にバンバン変えていった話も聞きました。
ヒロクニさんは、幼少の記憶を夢想するように絵を描く時があります。
今日のヒコーキの絵は、そういう作品。
話は変わります。
ヒロクニさんの愚痴を聞きすぎて、気持ちがやや腐りかけの時に「無性にバナナが食べたくなる」
朝からわけ分からん愚痴を言う時があり、それが何日も続くと、嫌な気持ちになる。
今回は、ストーマをしている皮膚がヒリヒリするという原因から始まった。
冬の時から痛みだし、早くストーマ外来へ行くように言うが、
「冬は嫌だ」という。
私は「冬をとるのか?痛みをとるのか?」と問い詰めた。
答えは「冬をとる」。
春になったので「ストーマ外来に行った方がいい」と言ったが、
「まだ、寒い」という。
そのうちに、痛みが顕著に酷くなったらしく、なんか怒りっぽくなった。
急に「男はこんな華奢な箸で飯は食わないんだー!!」と勝手に怒り、
みやげもんの曲がった箸を取り出し、「これでいいんじゃ!」と荒れている。
(民芸風の夫婦箸で、ちゃんと大きい箸なんですけど・・・・)
朝から「生きていてもおもしろくない!!」と大声でいう。
チャンスと思いなんとかストーマ外来に行く手はずを整えた。
しかし、嫌な気分が私の中で澱のように溜まっていた。
そして、無性にバナナが食べたくなり2袋買った。
しばらく、料理もする気がおこらなくなり、朝はバナナを2~3本食べる。
夕食もなにか作る気が起きなくて、「今日のご飯は?」と聞かれるといやーな気分。
「適当にたべといて、バナナもあるよ」と返事。
やる気がなくなった時、バナナが異常に美味しく感じる私。
「ヒロクニさんの愚痴聞いていたら、なにもする気がなくなったわ」と一言いい、バナナを食べるのでした。
バナナって美味しいわ!
英気を養っているのである。
たぶん、愚痴の原因は、ストーマの痛みだと分かっているが、
「痛み」を選んだヒロクニさんなんですから、あまり同情できないのだ。
咲いた時は、黄色のチューリップなのですが、時間が経つにつれオレンジ色がかってくるチューリップのようです。
昼間は原種系チューリップのように花が開くのです。
夕暮れになると、チューリップの花は口をすぼめます。
透析の治療が続くジルくんですが、日に日に元気さを取り戻してきています。
庭で寝ていたところによそ者が・・・。
ジルのテリトリーは庭である。
左がジルで右がよその猫。
ジルの声だけがオロオロオロ、オロオロオロ・・と聞こえる。
こっそり見ていたのだけど、よその猫ちゃん後ずさりして帰っていったのです。
「ジルが勝つってめずらしい」と思い、「ジルちゃん庭を守って偉いぞ!」と微笑んだのでした。
だいぶ、病気もよくなってきているようで、嬉しかった。