大きさは40cm×30cmぐらい
色鉛筆作品です。
タイトルは、「金十丸の船長から火を借りる」
(額に入れてあるので、ガラスが反射してしまって、写真が光ってしまった所があります)
この作品を見ておく為に、簡単な額装をして台所で見ております。
見ながら、ヒロクニさんらしいエネルギーに満ちた作品だなぁと感心する。ヒロクニさんは、「毎日ヘトヘトだよ」とボロッちぃ感じになっていますが、絵にエネルギーをつぎ込んでいるから、わたしに見せる姿は、あまりカッコ良くありません。それに、75歳なんですから・・・。
しかし、基本的にゆっくりしない人。常に刺激が欲しいのか、読書やCDをあれやこれやと入れ替え、自分を取り巻く環境を良く変えます。もっぱら、読書は、ハード・ボイルド。ハドリー・チェイスの「殺人は血であがなえ」。ロス・マクドナルドとの違いを説明してくれる毎日です。
この作品の題が「金十丸の船長から火を借りる」となっているのも面白い。
ギリシャ神話で、火を盗んだプロメテウスの話を思いだした。
プロメテウスは、神から火を盗み、人間に火を与えた。人間界へ火をもたらし為、神ゼウスが怒り、山に縛りつけ、プロメテウスは死ぬことの出来ない神であるため、永遠に鷲に肝臓を喰われる罰を与えた。物語は続く・・・。
プロメテウスは、文化的英雄と語られることが多い。
ヒロクニさんが、ギリシャ神話に詳しくないのを知っているので、「火を借りる」と表現したところが面白いのです。何故、そんなタイトルを付けたのかなぁ?と。
西洋の神話は、日本人からすると大胆で面白い。攻撃するのも、される方も徹底的で明暗がはっきりしていて、読む方は面白い。大胆な感じがする。
日本の神話も似たような所もあるが、表現としては、肉弾戦的ではなくて、もっと自然が介入してきている感じがする。(日本書記等・・)
ヒロクニさんが、どうしても「火を盗む」とは、表現しなくて「火を借りる」と遠慮した表現なのが、日本人らしくて、謙虚な感じで面白いな、と思ったのです。なんか、大胆さに欠けるヮ・・・・と思いつつ、西洋と日本の違いを考えた。ヒロクニさんは、ほとんど無意識に付けていると思うけれど、「火」が出てくる作品が最近あります。いい絵だなぁと思うけれど、売れてなくて手元にあります。
武内は、「この作品を1つの指針として、30点を描いてみたい!!」と宣言。
今もアトリエで、製作中です。
ヒロクニさんとわたしは、読書傾向がまったく違うので、本の話をお互い押し付けあっているような・・・・。ギリシャ神話は、ローマ帝国の始めの頃、祭られていた神々であり、イタリア・ルネッサンスの絵画を理解する上で役に立ちますよ。
(役に立つという感覚もヒロクニさんは、嫌いみたいです)
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