B4サイズ。半紙の大きさ。
鉛筆、色鉛筆、クレヨンを使用。
この作品は、企画展に出品する作品になります。
何かが立ち現れたような印象もします。
この絵の制作中に背中にコブのようなものができ、
それが破裂して、病院で手当をうけました。
その痛みと老体に鞭打って、家に着くなり、また制作。
「ちょっと来て。」と呼ばれると、この絵がありました。
「そんな絵描いてたの?」と言ったら、
「痛みにかまってられないくらいに、制作を追い詰めていたからできたんだ。」
「君は、何もわかちゃいない。」と、凄む。
わたしは、時々こっそり「小姑」とつぶやき、
下を出してベーという顔をして、
視線を感じたら、真顔ですます。
その言われる「何も」の何はなんなのか?
それがよくわからないのです。
この絵はそんな状況下で制作されていたようで、当人はよれっていたにも関わらず、
パワー系の作風。
「人は落ち込んでいる時にも、いい絵って描けるもんなんよ。」と武内は言います。
この絵が、そうなのかもしれません。
この作品は、神戸にある“ギャラリー島田”で、5月28日~6月21日に、
企画展にて出品します。
久しぶりの出品になります。
この絵を描いている時にかけていた音楽も印象に残りました。
いつもよくかける音楽と違うようだったのと、
何をかけているのか気になったので、思わず確かめた。
正直いうと、いつもCDのジャケットの識別だけで、聞き分けているのがわたし。
名前とか曲の名前をあまりしっかり覚えられない。
いつも、ヒロク二さんは人名や曲名をすらすらいうのが不思議でしょうがない。
気になったということは、「いいかんじ」と思っていたということ。
ライトニン・ホプキンスをいいかんじと思う感性は、
わたしのいったいどこにそういうものがあるのか?
謎だわ・・・、と思っています。
この絵を描く時は、どうしてこの選曲だったのか?
そんなことも考えながら、絵を見るのも楽しいと思います。
一段落着くと、「俺は、コブのことをバカにしていた。」といきなり話しだす。
そのコブは、“おでき”と一般的に言われるもの。
バカにするものが、なにやらおかしい。
病院へ連れていく一週間前に、「これ見て。」と呼ばれた。
「大きく膨れて、コブのまわりが赤くなっている。」と返事した。
調べると、膿が溜まっているのを皮膚に傷を入れて処置してもらわないといけない、というのが分った。
早めにした方がいいと思い、声をかけるが「もうちょっと待って。」の声。
毎度のことなので、最近、わたしは待つ忍耐が早く切れるようで、途中から忘れていた。
いきなりアトリエから出てきて、わたしを見る。
顔を赤くして、形相まで変わっている。
「病院を予約して・・・。い・た・い。」と喘ぐ声とともに、脂汗を出していた。
予約した病院の診察室に入って、服を脱いだら、赤く腫れ上がって、身が破けてきているという・・・。
診察室では、「先生、右肩のやつを酷使しているから、
こういう痛みは起こるのだと思うのだけれど、そのへんのとこはどうなんですか。」と、
変な質問をしている。
先生は、「まず、看ましょう。」
(先生、切り返しが上手と感心)
見た途端、「○○先生呼んできて。」とすばやい判断。
そして、すぐさま、処置室に移され○○先生の手に委ねられた。
しかし、その“おでき”の大きかったこと!
説明で、呼ばれ、先生が「見ていて下さいね。」と言い、
その傷口から小さいハサミを入れるとづづづ・・と奥まで入っていく。
怖くなって、「気が遠くなりそう・・、もう直視出来ません。」とわたしは音を上げた。
直径7センチぐらいの空洞があるそうだ。
良人が処置室を出たあと、「奥さん、ちょっと。」小さい声で話される。
話された内容は、
「普通は、3㎝ぐらいの大きさでも痛いと大抵の人は言って診察にくるんです。
何故、あそこまで耐えれたのですか?」と。
続けて言うには、「処置はここ当分、毎日きてもらわないといけないと思います。来ますね。」
と念を押された。
いつもの流れです。
医者と主人の間の通訳係。
お医者様は、確実性を求めているのだと思いました。
やっぱりヒロク二さんという人はフワフワした感覚を発散しているので、
不安なんだと思う。
ハイハイ、と肯いて聞いているようで、まったく聞いていないということもよくある。
処置が終わったら、服に付いている絵具を血と間違えた看護婦さんがいて、
ヒロク二さんは、「絵描きなんだよ。」と言い、看護婦さんにワーワー言われて、楽しそうでした。
「映画になった画家の人に似てる。」とも言われ、それが「熊谷守一」だったりして、
「そうかな?」と照れたり。
一瞬、看護婦のアイドルでした。
看護婦さんの気性の良さに助けられた。
もう、カッコをかまってられなかったようで、股引姿。
着替えられないというから、「もう、そのままでいいから。」と言った。
その服装だからか、看護婦さんもリラックスしていたようで、
「おできをどうしてこんなに熟させてしまったの?」
「くだものみたいにいうなんて・・。」合いの手の声が。
ヒロク二さんの、どうしてこういうテープなんだ?という質問に、
「ここはねぇ、貧乏なんよ。最新の医療を買えないのよ。」
「だから、許してね。」
また、テープの跡をきれい拭きながら、
「ぼろっちいテープでごめんね。きれいに剥がれるテープもあるかもしれないのだけど。」
「これもやっぱり貧乏のせいなんよ。」
「これに懲りず、また明日もきてね。」
皆、おかしなことを思い付くようで、
思わず聞きながら笑ってしまいました。
しかし、頑丈そうで粘着力の強い古風なテープを久しぶりに見た。
スタイリッシュの真逆の代物。
いかにも怪我してます!の風情。
まあ、看護婦さんとヒロク二さんのようすを眺めながら、
やっぱりフワフワ感はヒロク二さんによく似合っていると思いました。
ヒロク二さんといると、みな冗談とか言いたくなるのか?
私も、悪ふざけをするようになったのはヒロク二さんと結婚してからだもの。
↑曇りがちの日でしたが、ジャーマンアイリスが満開。
緑が多い中、よく映えています。
↑生育がいまいちなのですが、今年はじめて咲いた色合い。
どんな交配でこのビオラになったのか?
蜂が受粉させると、違う種類の花だったりするらしい。
ブルーを感じさせる紫が気に入りました。
左右と下の花びらに縁があるのも古風でいい。
我家では、咲き始めるのが遅かったので、今が一番花を付けています。
今は、傷のための抗生物質をヒロク二さんに渡す度に、
ウクライナの人の傷の手当には、こういう薬は必要なんだと思いました。
傷が化膿しにくくなる薬と聞いて。
ヒロク二さんの病院通いは、続きそう。
長い間だかかって出来たものは、長い時間をかけて直るということです。
なるほどと納得しました。
いつも、ヒロク二さんに驚かされてながら、日々精進。
ブログをお読み下さりありがとうございます。
「人は落ち込んでいる時にも……」負の感情も制作に対するエネルギーとして変換できるということかな?と思いながら読みましたが、もしかしたら感情は制作に影響しない(させない)で「今、描くべき作品を制作することに没頭する」ということなのかも?とも思いました。
「何も」の「何」を考えてみましたが、なかなか難しいです。
絵を描く時の選曲は、興味深いです。今の感覚にあっている曲、「こういう気分に持っていきたい」という効果を狙った曲、あえて今の感覚とは違う曲、と、いろいろな効果が狙えると思います。
3枚目のカメラータ・ケルンを知らなかったので、ネットで検索してみました。クラシック系の木管楽器の演奏者なのでしょうか。この3枚、共通点があるような気もするけれど、どういうところが?と考えるとうまく言えません。
難しいことは考えずにこの3枚のCDを見ると、好きなのはライトニン・ホプキンスだなあ、と思うのでした。
コブ(おでき)の大きさにとても驚きました。3cmどころか、1cmだって痛いです。7cmの空洞があるって、もう直視できません。
看護師さんとのやり取りが微笑ましいです。病院の雰囲気が良いのだろうなと想像しました。看護師さんたちにとって、働きやすい病院なのかもと思いました。
鮮やかな紫色のビオラ、良い色ですね。先日、近所の道端で、花びらの大きさが8mmくらいで全体の高さが4cmくらいの小さなビオラがアスファルトの裂け目から生えているのを見つけました。
このビオラも、さほりんのビオラのように自然交配で咲いたのだろうなと思い、じーっと見つめてしまいました。
抗生物質は、とても優秀な薬だと思います。体の色々なところが感染症で化膿したことがありますが、すべて、抗生物質投与でみるみる治りました。
「治った」と思っても、ちゃんと処方どおりの日数の間、投与(服用)することが重要らしいです。治ったように思えても、感染した原因の細菌はまだ生きているらしいので。
感染して化膿しているときは、本当に痛いです。ヒロクニ先生、お大事にされてください。そして、通訳のさほりんにエールを送ります。
この絵は、製作過程をまったく知らず、いきなり見ました。激しいわね。この一言が私の絵から受けた印象です。「人は落ち込んでいる時にも……」は、時折よくいう言葉で、私の中では、しっかり定着している言葉なのです。負のエネルギーというよりは、落ち込んでいて、落ち込んだところは、意外と心が澄んだ状態になっていて、精神がシンプルになっているのではないかと。元気なときは、欲望が多くあるから見極め難いのかな?というふうに受けとめています。ヒロク二さんに、どっちかな?と聞けばどう答えるのでしょうね。こういう話は、聞けば延々と長い話になるのではと思い、聞いていません。また、ヒロク二さんの顔と首が反対方向に向きそうで・・。(笑)
カメラータ・ケルンを聞くというよりは、「テレマン」が好きでCDを何枚か持っています。古めかしいバロックですが、以前よく聴いていました。久しぶりにかかったというので、「めずらしいこと。」と思っていました。好きなのは、ライトニン・ホプキンスとあり、私も三枚の中で、一番しっくり来ました。同じ思いだ!と、嬉しくなってしまいました。
おできは、少し小さくなってきました。今日、やっと、2日あけていいようになったので、やれやれ。この病院は、主治医の先生(院長)がとても判断が適切で、先生も度量がある方なので何かあれば行く病院にしています。ヒロク二さんに対処して貰うには、とにかく度量のある方でないと、ヒロク二さんのわけのわからない我儘をねじ伏せられない。今回も自分の事なのに、「何で毎日こないといかんのかぇ。」と言い出してたし・・・。子供みたい。
小さなビオラを見つけたのですね。どんな色だったのかと気になります。割れ目に、種が入り込んでいい具合だったのでしょうね。野すみれも道路の割れ目からよく咲いているのをみかけます。ポットに蒔かれたような状態になっているのかもしれません。
抗生物質って、飲む薬なのに細菌を殺す役割があって本当に凄いと思います。ともりんも化膿したりしたことがあるのですね。その姿を思い浮かべると、ヒロク二さんより、ともりんの方がけなげで、可哀想な感じがして、心配してしまうわ。
キズ口も小さくなってきて、痛みも減っているようです。しかし、病院って半日潰れるようで、疲れます。今日も、先生におかしなこと言ってましたよ。気を揉みます。通訳は、潤滑剤として威力を発揮しています。エールありがとう!
なんだか、励みになります。
有難い言葉が、ジーンと胸にきます。
コメント、本当にありがとうございます!