武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

駄天使(色鉛筆作品701)と わたしのハレの日

2022-09-25 15:33:09 | Weblog

この絵は天使なのです。

いわゆるキリスト教に出てくる天使とは、まったくの別物。

堕天使(だてんし)ではなく、駄菓子の“駄”から取った「駄天使」。

この命名は、わたしが考えつきました。

お菓子の包み紙のようなイメージがぴったりだと思ったから。

高級で贅沢な菓子の雰囲気より、キッチュな感じを表すのにいいと。

この絵は、2011年の仁丹堂のカレンダーの絵を思案している時に、描かれました。

カレンダーに使われた絵は、もっと天使に近づいています。

とても変な天使ですけど・・・・。

↑これが、そのカレンダー。

上の絵より細部がはっきりと描かれ、色味も華やかに仕上げている。

武内なりに季節感を入れようと、四苦八苦していました。

この時のデザイナーの方も苦労していたと思います。

この人にどう接していいか?

どう説明したら良いか?

はじめの絵が全く季節感なく唐突だったので、

「もう少し、感じでいいから季節を出して欲しいんです。」と要請が来た。

やりとりしている内に、「5月は新緑の緑でいきましょ。」というふうになり、

この月は、雨とか、ブルーな感じとか、言われていたようです。

それでもどうしてもピッタッとこない時は、

手持ちの絵で合うものを探し、当てはめました。

これが、意外といい感じになったりとして、わたしは胸をなでおろし一息つく。

ヒロク二さんは?というと、

「ナンだって!」と受話器に向かってよく言っていましたね。

その後は、「そうかぇ。」と。

絵は、何日もかけ、一気に仕上げた。

その中から8枚が選ばれ、4枚が手元の絵から。

こういう仕事は締め切りがあります。

だから、一極集中という感じの仕事の仕方だったと思います。

この集中期間は、仁丹堂カレンダー仕様、戦闘体勢で、

その時にする独特の空気を感じていました。

4月のページでは、花が並んでいるだけの絵なのですが、目を引く絵が出来たりして、

普段の仕事では見ない絵が出来上がった。

ふ~ん、と横で感心して見ていました。

こんな事も出来るのだと。

こういう注文の仕事では、今までにない表現が生まれたりします。

苦しまぎわに、どうしょうもないエネルギーが破裂して、

それが新しい表現になっていると言うもの。

今日の絵の天使は、使われなかった試行錯誤の一枚になります。

カレンダーに使われたのは、今日の絵より洗練されている。

私的には、「駄天使」が履いている靴が、いろいろあって、これを見るのも楽しみの1つでした。

 

↑この足の感じが好きなのです          ↑こんなジョギングシューズ欲しい

                        見難いけど・・・。

駄天使の独特な可愛さ、これがたまりません。

顔の表情が、動物の表情みたいだ。

人間ばなれした「無邪気さ」。

やっぱり、「堕天使」ではなく、「駄天使」なんだと思いました。

我ながら、うまく言うと自画自賛。

 

 

秋になった。

未だ、何となく夏の疲れが取れなくて、夕食のメニューが思い浮かばない日々。

突進するように買い物に行き、意外とたくさん買った。

「時間がかかったり、手間の多い料理はしたくないな。」と思っていると、

いつもと違う食材に手が伸びる。

暖めるだけのヤマサのおでんや、調味料を混ぜたりしなくていいクックドゥの商品、

お刺身、豆腐、みそ汁のインスタント等。

いろんなもので一杯になった。

買い物を抱え、「ただいま。」言いながら、ドアを開けて、

「あ~、やっぱり疲れてるわ~。」と言いながら、荷物を渡すと、

「こんなに思いのかぇ。」

「やっぱり、君は凄い。」と言われる。

「何か気分が悪い・・・。」と言うと、

「ちょっと休みなさい。横になりなさい。」と。

横になっていると、

「今日は、もう簡単でいいから。」 

「食事が遅くなってもいいから休みなさい。」

「君もよく頑張っているよ。」

この言葉を聞いて、いつもと違う・・・、どうしたんだろう?と思いながら休んでいた。

いつもは、疲れたと言うと、

「今日は晩御飯はしないの?」と女中が働かんみたいに睨んだりされていた。

その対応に、わたしの心は荒れ、怒りに満ちていた。

「しんどい。」と言うと、速攻で晩飯は作るのか?作らないのか?の質問で、問い詰める。

これが、気持ちの余裕をなくさせ、自分のことしか頭にないのか!となり、怒りに満ちる。

拍子抜けして、今日はおかしいなぁ~。と、思いながら横になっていた。

すると、意外と短時間で持ち直した。

食事の準備にかかりながら、

「優しい言葉をかけてくれたから、早くよくなったみたい。」

「ヒロク二さん、やっぱり優しい対応をしてくれると、直りが早いみたい。」と言ってから、

ここは、強調して覚えこますのだと脳裏に閃き、

「優しい言葉をかけてくれたから、早くよくなったみたい。」

「優しい対応をしてくれると、直りが早いみたい。」を何度も言った。

「そんなものだよな。」とつぶやき、ヒロク二さんは、アトリエに行った。

今日は、いつもと違っていい感じだ。

結婚して30年以上経って、妻疲れている編の初めての優しい対応。

ほんと、初めてのこと。

その日の夕食は、ヤマサのおでん、インスタントのみそ汁、卵焼き、ぶりのお作り。

インスタントのみそ汁は、普段食べないせいか、意外と美味しくて驚いた。

体調のせいか、美味しい果物も食べたくなって、

あのちょい高い“ナガノパープル”という葡萄も、買ってしまい、食後に食べた。

わたしにとっては、ハレの日のような夕べ。

いつもが悲惨な流れだったせいか、とっても幸せな感じがしました。

「幸、不幸は、相対的なものなのだ。」と思いました。

 

今日は、我家のピピで締めくくります。

↑顔がとても分りにくい猫です。

(その上、写真がぼけている)

この写真は、「ぴーちゃん、来てごらん。」とわたしが呼ぶと、

来てしまったピピを捕まえたところを取りました。

「何だ?」って顔をしています。

「こんなはずではなかった!」とも思っていると思われます。

いつも捕まるのに、「ぴーちゃん、来てごらん。」と呼ぶと、

躊躇しながらでも、わたしの方に歩いてきてしまうらしい。(笑)

かまってちゃんな猫なので、誘惑に勝てないらしい。

そんなふうにして、撮った写真です。

 

 

今日は、夏の疲れの最中で、つかの間の幸せ感を書きました。

我が良人の突然変異のことを。

優しい夫を持たれている人は、いいなぁと思いながら。

ヒロク二さんは、優しいところがある人というのは知っているのですが、

日常の中で実行に移すのがヘタなようなんです。

画家という職業のせいか、毎日、自己主張をしているようなものなので、

自分中心が癖ついているのでしょう。

今日もお読み頂きありがとうございます。

 

 

 


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2 コメント

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Unknown (ともりん)
2022-09-28 22:12:53
天使?、と思いながらも左右違う靴下がキュート!と楽しくなりました。さほりんの好きなシューズ、良いフォルムです。シューズの形が微妙に違うのも良い感じです。こういう発想でそれを描いてしまうこと、すごいです。
次に気になったのは、ピンクのふくらはぎです。足、なのかもしれませんが、私にはふくらはぎに見えます。他にも魅力的なところはたくさんあるのに、なぜか足元にばかり眼が引き寄せられてしまいます。
駄菓子の「駄」天使、なんてすばらしいネーミングなのでしょう!漢字ももぴったり、イメージもぴったりです。「駄天使」を意識して見ていたら、向かって右下の緑と赤の花がコンペイトウに見えてきました。
駄天使は、星の王子様のようです。

カレンダー、とてもすてきです。季節感を入れて描くのは大変ですが、締切という無理やりな感じで発揮されるエネルギーが感じられる作品も、観る側としては魅力的です。
カレンダーとまでいかずとも、「四季の作品」というシリーズで連作してもらえたらすてきだなあ、と勝手に想像しました。

今年は季節が一か月早いように感じます。9月末ってこんなに涼しかったかしら?まるで10月末のようです。気候の変化が激しくて、体がついていけません。
ヒロクニ先生の優しい言葉、「さほりん、良かったなあ」と思うと同時に、さほりんの作戦(笑)にさすが!と笑いました。
やっぱり、優しい言葉と共に心配りをいただくと、体も心もエネルギーがわいてくると思います。
ごはんは、お惣菜でもインスタントでも手抜きでも、良いのです! 無理せず美味しく食事ができることが重要だと思います。「頑張りたいな」と思ったら頑張れば良いし、「ちょっとしんどいな」と思うときはそれなりにすれば良いのです。

ぴーちゃんはとってもぴっくりなお顔ですね。相変わらず愛らしい、くりくりのびっくりお目目です。さほりんに呼ばれることがとっても好きなのですね。お目目から、「大好き」があふれています。

昼と夜の寒暖の差が激しくなってきました。体調にも影響がありますが、このような気候は腰とか関節などにも影響が出ます。
無理せず、手抜きもしながらお過ごしくださいね。
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私も駄天使は気に入ってます。 (さほりん)
2022-09-30 11:19:31
コメントありがとうございます。
この駄天使は、カレンダーの為に生み出したものだと、この絵の前で話してくれました。このモチーフは、カレンダーの為のみで、終わりだそうです。私としては、シリーズにして欲しいくらいなのですけどね。ピンクの足の部分、確かにふくらはぎの形してます。(笑)気になりだしたら、そうしか見えないの分ります。俊足で走りそうな雰囲気もあるし、シューズもおしゃれだし、異様に足に力が注がれています。男のおしゃれは、足元からを実践したのでしょうかね。靴と靴下にこだわりがある人なので。ヒロク二エッセンスが靴のデザインにも込められているのかも。私もそうなんだけれど、この絵にワクワク感を共感してくれて嬉しいわ。

季節感というのは、普段の絵にはあまりみられない。何故なのか?四季を感じる絵があってもいいと思いました。
話は変わりますが、「幸せ食堂」の絵は、切羽詰ってエネルギー噴射炸裂という絵が多かったと思います。特に「羊羹の絵」。羊羹が立ってしまった絵ですが。偶然、皿に乗っていた羊羹がなんかの拍子に立った。そして、「コレだ!」と閃いた瞬間があったのだそう。卵焼きの絵も。今から考えると貴重な作品群だと思います。

9月になって、暑いのか寒いのかよく分らない気温。温度差が大きすぎて・・。
初めてここちよく、手抜きして美味しく食事をした。手抜きすると、「今日はこんなのか・・。」と急に黙り込んだりされて、虚しそうにするのですよ。今回は、そういう事がなく、「これも美味しいね。」と暖かい感じがあって、とても嬉しかったのです。「無理せず美味しく食事」と書いて下さいましたが、ほんとこれですよね。いい言葉ありがとう!

ピーちゃんは、里親募集の写真で、「まん丸お目目」で写っていたのです。写真を見て、この子がいいなぁ~と思って、ヒロク二さんにも写真を見せて、この子にしようと。このビックリお目目が愛おしく思ったのです。今でもその名残があるみたい。

寒暖さ激しいですね。今の時期はゆるゆると気を張らずに過ごしてみるのもいいかもと思い始めています。心優しいお気遣いありがとうございます。
関節とか腰にも影響があるのは知りませんでした。気をつけて過ごしてみます。
いつもありがとう!
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