武内 ヒロク二

このブログは、武内ヒロクニの絵の紹介や、家での出来事を妻が語ります。
日々、徒然。

記憶(鉛筆作品紹介526)

2019-10-03 13:31:50 | Weblog

こういう絵を見たら、ヒロクニさんがいう「俺は、シュールレアリストでもあるんだ。」という言葉が浮かびます。

この作品は、昨日、簡単に額に入れて台所に飾られました。

上部に描かれたヘルメットの部分は、脳でも表現しているのだろうか?と、

現実的な絵の見方しかできないわたくしでした。

また、右の部分には、悲しげな少女がいるように思えてしまう。

ちょっと、寂しい心象風景のように感じました。

いつも思うのは、ヒロクニさんの絵って、本当に個性的で、こんな絵を見たことがないよねぇ~。

 

このところヒロクニさんにとっては、心地よい暑さのせいか、制作に気合が入っていました。

3日間くらい、非常に集中していたようで、家の中で、肩で風を切っているような雰囲気。

目は、遠くを見ていて、いつものように無駄口を叩かない。

ただ、こうなってくると食事は少量になり、夜はぐったりとなっている。

ヒロクニさんは、「腹一杯食って、制作はできない。」と云うことも、よくいいます。

こういうことなのか?と、フムフムと横にいて腕組みして頷く。

「俺は、布団で寝ないんだ!!」というヒロクニ哲学に通じるものを感じます。

要約すると、「羽布団にくるまってホカホカ寝て、腹一杯ご飯を食べて、満ち足りた状態は、堕落している」と。

「芸術家が、そんな状態にいるのは間違っている!!臨場感のない!」という事のようです。

日常生活にそんなピリリとした空気を感じながら、「ヒロク二さん、何か普段とちょっと違う?」と、思いながら

生活していました。

改めてこの作品に、私は臨場感というものを感じ、いいなぁ~と思って見ている。

いつもこんな風でいて欲しいが、それはたまに訪れる感覚のようです。

 

 

ヒロク二さんも若かりし頃、洋画家から現代美術に転向し、そのムーブに入っていたことがある。

「グループ位」という「非人称」をコンセプトにした前衛美術集団に。

■グループ〈位〉とは?
1965(昭和40)年、神戸在住の若い美術家9名(井上治幸、奥田善巳、河口龍夫、武内博州、豊原康雄、中田誠、向井孟、

村上雅美、良田務)で結成されたグループです。その後、メンバーは変動し、現在は河口龍夫、豊原康雄、中田誠、向井孟の4名です。

私たちがいま存在するこの世界とは何かという哲学的なテーマに強い関心を持ったグループ。

グループ〈位〉は、個人の感覚では複雑で多様な現代の一面しか認識することができないという自覚のもとに、

世界とは何かを、個人ではなく集団で思考するというコンセプトの団体だったらしい。

 

この頃の話として、河原で穴を掘った話をしてくれます。

「メンバー全員で、穴を河原で掘ってねぇ~。シャベルで穴掘るのしんどいのだよ~。掘ったら今度は、

土を持っていかなきゃならんからねぇ~。俺、何してるのかわからんようになったよ。(笑)

個展会場にも、土砂をは運んでねぇ~。ベルトコンベアに土をのせ続けたりして・・・。

川口にパチンコしてたら、「こんな所まで来て、君は、そんな事するのか!」と怒られてさ。

皆で同じ絵を描くとかって、なった時はやめてくれよ。と、思ってねぇ。

そんな風に思ってたら、俺を除名会議にかけるとか、云われてさ。」と語る。

ヒロク二さんが、語ると高尚さが抜け落ちてしまって、この人はあまりしゃべらさない方がいいと思うのでした。

 

 

 

 

 



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