遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(471) 小説 いつか来た道 また行く道(31) 他 愚かな人間の欲望

2023-11-03 17:09:16 | つぶやき
            愚かな人間の欲望(2023.10.15日作)


 

 愚かな人間の欲望が
 善良な人々の笑顔を奪い
 悲しみの底に 落し入れる
 人間は 欲望を持った生き物 その 欲望
 人を 悲しみの底に落し入れる 欲望を 抑制し
 人を 悲しみの底に落し入れる 事態を避ける 力
 その力を持つのは 人の命の尊さを知る 知性
 人間 人は 知性を持った生き物 原初的 原始的生き物
 野生に生きる動物達に 知性はない もしくは 乏しい
 唯一 人間 人が持つ事の出来る 知性 その
 知性を活かす事の出来ない人間は 原初的 原始的生き物
 野生動物となんら変わりはない この
 愚かな人間達の 欲望 権力欲がこの世界 人の世の
 安寧 平安 平和を 次ぎ次ぎと破壊 崩壊させてゆく
 愚かな人間達の度重なる愚行 蛮行 それによる
 この世界 人の世の 損害 損失 失われた人の命
 その数は計り知れない
 自身の 権威への欲望 野心 それのみに生きて得意満面 有頂天
 愚かな人間達の自己満足 その姿 姿勢の なんと
 滑稽 醜い事か ! 
 この世界 この 地球 その中で 
 最も大切 侵してはならないものは 人の命 命の尊厳 
 無二の存在 人の命 失われた命の再び戻る事はない !





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            いつか来た道 また行く道(31)




 
 居間に入ると明かりも点けずに表通りを窓から見下ろした。
 尾行車らしい車の影は何処にも見当たらなかった。
 明かりを点けて腕時計を見た。
 十一時に近かった。
 スーツを脱ぎ、ハンガーに掛けて身体を投げ出すようにしてソファーに沈み込んだ。
  疲れ切っていた。
 背凭れに頭を持たせかけて眼をつぶった。
 姿の見えない相手の影が頭の中を過(よ)ぎった。
 気分が滅入っていた。
 一寸先の未来が見えない。
 これからどうなるのだろう ?
 電話が鳴った。
 男からのものだ !
 確信的に思った。
 受話器を取った。
「杉本さん ?」
 昼間の男の声だった。
「そうです」
 静かに答えた。
「昼間、電話をしたもん(者)だけど」
「だからなんなの ?」
 穏やかに言った。
「話しの続きをしてえんだ」
「わたしの車をつけた(尾行)でしょう」
「上手く巻いたね」
 軽く笑いを交えたように男は言った。
「今、何処に居るの ?」
「でっけえマンションの近くにいる。多分、あんたの居るマンションだと思うけど」
「あなた一人 ?」
「そうだ」
「あなた暴力団の人 ?」
「なんで ? そんなこと聞いてどうすんだ ?」
「どうにもしないわ。暴力団でもなければ、こんな事はしないものね」
「しんぺえ(心配)すんな。暴力団なんかじゃねえよ」
「中沢も始め、そんな事を言ってたわ」
「奴は生きてんのか ?」
「生きてんのかって、あなた、何、考えてんの ?」
「奴が何処にもいねえからよ」
「あなた今、車の中 ?」
「違うよ。公衆電話から掛けてんだ」
「公衆電話 ? 携帯は使わないの ?」
「あんな物は使わねえ」
「足が付くのが怖いから ?」
「関係ねえよ」
「使い捨ての携帯もあるわよ」
「そんな事はどうだっていいよ」
「そう、それじゃあ、どう ?  あなた一人ならわたしの部屋へ来ない ? 電話では話しがしづらいのでわたしの部屋でゆっくり話しましょうよ」
「あのでっけえマンションか ?」
「違うわ。一戸建てよ」
「一人で居るのか ?」
「そうよ、わたし一人よ。だからあなたが来ても怪しむ人なんかいないわ」
「いや、行かねえ方がいい。電話の方が話し易い」
「ずいぶん臆病なのね」
「そうかも知んねえ」
 男は小さく笑った。
「じゃあ、電話でもいいわ。わたしと何が話したいの ?」
「だから、中沢の居る所を教えて貰いてえって言うんだよ」
「あなた、わたしが中沢を殺したとでも思ってるの ?」
「そんな事は言ってねえよ」
「でも、あなたの口振りではそんな風に聞こえるわよ」
「そんなら、それで構わねえよ」
「そう、随分、物分かりがいいのね。いい ? もし、わたしがあの人の居る所を教えて上げても、臆病者のあなたにわたしが言うように出来るかしら ?」
「どういう事だ ?」
 男は興味をみせた。
「それは後での事よ。だけど結局、あなたの目的は中沢の事より、わたしを強請(ゆす)る事なんでしょう」
「そんな事じゃねえよ」
 男は強い口調で否定した。
「いいのよ、隠さなくたって。中沢栄二もそんな風にしてわたしを強請ったんだから」
「とうとう本音を吐いたね」
 男は勝ち誇ったように言った。
「だって、あなたには分かっていた事でしょう」
「分かってたから電話をしたんだ」
「幾ら欲しいの ?」
「そんな事はすぐに言えねえ。中沢が何処に居るかも含めての交渉だ」
「じゃあ、何処で交渉する ? 電話でするの ?」
「いや、何処っかで会ってもいい」
「これから、わたしがあなたが居る車へ行ってもいいわ」
「これからか ?」
 男は戸惑ったように言った。
「そうよ、仕事は早い方がいいわ」
「いや、今は駄目だ。そこまで準備が出来てねえ」
「準備って、何を準備するの ? これこれの物を遣るから、これだけの物を出せって言えば済む事じゃない」
「とにかく、今は駄目だ。日を改めて何処っかで会った方がいい」 
「じゃあ、何故、わたしの後を尾行(つけた)の ?」
「あんたに雲隠れされちゃあ困ると思ったのさ」
「だけど、巻かれちゃったって言う訳 ?」
「そう言う事だ」
「随分、間抜けなのね」
「人を尾行たりすんのは初めてだからな」
「案外、善良なのね」
「善良さ。まあ、そんな事はどうでもいいけど、あんたがその気になったら話しを進めよう」
「だから、わたしは今だっていいって言ってるのよ。あなたの方が臆病風を吹かせているんじゃない」
「臆病風を吹かせる訳じゃあねえけど、今は都合が悪いんだ。日を改めて会った方がいい」
「じゃあ、あなたは何時がいいの ?」
「今じゃねければ何時だっていいよ。どうせぶらぶらしてんだから」
「それなら、わたしの予定表を見て、改めて電話をするから電話番号を教えてくれる ?」
「いや、駄目だ。俺の方から電話する。いつ電話すればいいんだ ?」
「なかなか用心深いのね。いいわ、明日(あした)、午後六時十分前に昼間掛けて来た所へ電話しなさい。会う日を決めるから」
「分かった」
「他に話す事はないの ? 中沢栄二とはどうして知り合ったの ?」
「そんな事は会ってから話せばいい」

 三日後の金曜日、わたしは約束の午後七時半かっきりに赤坂のXホテルへ行った。




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             桂蓮様


              
              お身体の大変な中 何時も御眼をお通し戴き有難う御座います
               エゴを乗り換える
              再読ですが改めてまた 面白く拝見しました
              アメリカ生活までは個性が無かった 浮き草のように
              世間を漂っていた アメリカで初めて自分という個性に目覚めた
              パートナーの方の暖かなお人柄に対する安心感が多分 何処にも見出せずに
              眠っていた個性の根を発芽させたのだと思います
              人に対する愛情の尊さ 透けて見えて来ます
              自分が乗っている車輛に嫌な人が来ても受け入れる
              ここにもパートナーの方の見えない影が透けて見えて来ます
              それによって桂連様の中に眠っていた種が眼を覚まし発芽し
              自身を見い出す事が出来た 良い話しです             
              それにしても人に対する愛情の如何に大切かという事を
              改めて認識させられます
               初読では気付かなかった事を改めて気付かされました
              大変 面白かったです
               有難う御座いました



           

              takeziisan様

              
               有難う御座います
              美しい写真の数々 今回も楽しませて戴きました
              太い樹の並木道の落葉 見事ですね 踏んで歩いてみたい気がします
              安曇野 水車のある風景 何時も行く花屋にこれと同じ写真が飾ってあります 
              ああ 同じ風景だ 何故か親しい感情と共に拝見しました
              信州 昔から歌の 高原の旅愁 高原の駅よさようなら など 耳にしていた事もあって
              何かしら郷愁を誘われます また 姪が諏訪湖の近くの教会で結婚式をして
              現在 茅野市に住んでいます
               ごとく 十能 いろり ちゃんちゃんこ    
              懐かしい響きです
              シモヤケは今でも出来ます これはもう一生ものだと思っています
              まったくイライラします
               わたくしは義務教育九年間 無欠席 皆勤でした
              六 七年前に大腸がんを手術しましたが 今でも至って健康です            
              冬になると出た神経痛的腰痛も克服しました
              ただ さすが体力の衰えか膝のちょっとしたチクチク痛みがまだ消えません
              食事面と共に指圧 体操などで克服しょうとしているところです
              痛くて困るという事もなく ちょっと痛むという程度です
               バタンキュー 同じで眠れないという事もありません 
               地下室のメロディー 先々週かNHKで放送しましたね                                
               何度も観ている映画です 札束がプールの水面上に浮かび上がるラストシーン
               ギャバンの苦虫を嚙み潰したような無表情がいいです
               川柳 やっぱり入選作は物足りない
               以前にも書きましたがtakeziisan川柳の方が面白い 
               勿論 おべっかではなく
               季節の収穫物 豊かな自然があればこその恵み
               羨ましい限りです
               パセリ みずな 小松菜以上の栄養価があるとは・・・
               初めて知ると共に驚きです
               今回も楽しく拝見させて戴きました
               有難う御座いました

















1 コメント

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Unknown (桂蓮)
2023-11-02 22:55:23
文頭の詩
何故か、亡き祖母を思わせました。
言い方か、あるいは内容か、
よーく分かりませんが、
私の祖母が生きていたら
絶対同じく共感するだろうなーと思いました。

年を取ると、説教してくれる人が減りますよね。
説教はいい意味で、知恵を持った伝授としての役割もありますよね。
ただ、説教が美徳を強制すると
お説教くさくなりますけど。

文頭の詩から、年取った者は
後世の人たちのために
自分が人生から学んだことを
説教することが必要だ、というのも
改めて実感しました。

悪いことは悪いと教え
良いことは良いと
しっかり教えられる年寄りが少なくなってきましたね。
変な知性を前に出して
ただの社会的な遍歴を基盤に良し悪しを
語るものが多くなりましたね。

簡単に、人類がなすべき
良し悪しを明確にすればいいのに、
多くの年寄りは
ただ自分の見方だけとか、
誰かに同調するだけとか、
まー例を上げれば切りがないですが。

この世、雑な美徳とかに
振り回されている人達が多いですね。
社会現象でしょうが、
美徳が国によって変わることを体験しているのもあって、
我流はもういいと言いたいところですかね。


ところで、私もバレエの執着も
少しずつ減っています。
そうなってみると
書きたいことも減ってきましたね。
いいのか悪いのか、
執着が薄くなってみると
どんなに、強く握っていたかが見えてきましたね。


昨日、クラスが終わって
約1時間くらいバレエ先生と
教育と学ぶことについて分析しました。
私が分析と解析表を作って
他の方法と比較分析しながら
教えることと学ぶことを話し合いました。
私は普段無口ですが、
目的性があると話が止まらない悪いくせがあります。
なので、帰宅してから
やりすぎた感があって、
自分をもっと自制すべきだったと思ってました。
そのような気持ちがあって
たまささまの文頭の詩が余計に染みましたね。

私は毎回の短編より
文頭の詩がより好きですけどね。



追加、補足
前回の記事の文頭の詞は
すごく重くて、深いというのが正しいですかね。
私には対応できないレベルだと思って
何も書けなかったです。
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