遺す言葉

つぶやき日記

遺す言葉(498) 小説 希望(22) 他 戦争は悪

2024-05-19 12:45:49 | 小説
             戦争は悪(2024.5.15日作) 



 戦争は悪だ
 戦争をするな と叫ぶより
 戦争好きな人間達には 勝手に
 やらせて置けばいい
 果てし無い殺し合い 戦争
 その戦争に於いて 一般市民を巻き込む行為
 絶対的に許せない 日々 静かに
 日常を生きる一般市民
 市井の人々 その人達の権利 生きる権利を奪う事
 誰であろうと許されない 人の命を奪う権利
 誰にも無い 人はそれぞれ
 この世に生を受けた限りに於いて
 生きる権利を有している その権利を
 戦争好きの愚か者 愚者達侵略者が
 勝手に弄び 奪う事は許されない
 果てし無い殺し合い 戦争
 愚か者 愚者達の危険な遊び
 危険な遊びを好むなら 愚か者
 愚者達同士 勝手にやればいい
 その行為 殺し合い 
 日々 日常を生きる一般市民 
 市井の人達を巻き込むのなら 直ちに
 止めるべし その行為 犯罪行為
 絶対的に許せない
 市井の人々 一般市民を脅かし 命を奪う
 どんな口実 理屈を並べても 空虚な戯言 
 直ちに止めるべし
 この世界 地球上 これまでに
 愚かな戦争 果てし無い殺し合い その中で
 失われた人の命は数知れず
 積み上げられた死者の数 数知れず この惨状
 総ては愚者 愚か者達の危険な遊び 遊戯の結果 
 悲惨な結果
 市民を巻き込む戦争 殺し合いなら直ちに止めるべし
 愚か者 愚者達よ
 世界はお前達だけのものではない !


            
             
           
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              希望(22)




「クロちゃんの納骨が済んだって言うもんで、墓へ行って線香を上げて来たんですよ」
 北川は言った。
「お前(め)えとクロは同級だったんだって ?」
 マスターが聞いた。
「そうなんですよ。小学校から高校までずっと一緒だったもんで、奴とは一番気心が通じ合っていたんですよ。何をやるにも一緒で、走るようになったのも二人で相談しての事だったんもんだから」
 北川は沈んだ口調のまま言った。
「じゃあ、お袋さんもお前えの事はよく知ってんだ ?」
「知ってるなんてもんじゃねえですよ。俺達が小せえ頃は、お袋さんが働きに出てたもんで二人で一緒に留守番をしてたんですよ」
「お前えがクロの仕返(しけえ)しに躍起になるのも分かるな」
 マスたーは軽い笑いと共に言った。
「勿論、それもあるんだけど、でも、今度の事はそれだけじゃねえんですよ。相手の奴等にでっけえ面(つら)させて置く訳にもいかねえし、大体、このままじゃチームをまとめられねえですよ。頭(あたま)の一人が殺(やら)れて何も出来ねえなんて言うんじゃ、頭としての資格を問われちゃいますからね」
「一層の事、走りなんか止めちゃえばいいじゃねえか。警察は煩えし、走ってもなんの得にもなんねえだろうよ」
 マスターは言った。
「いや、みんな走るのが好きなんですよ。走る事でみんな詰まんねえ仕事の苛々を解消してんですよ」
「で、遣る目途は付いたのか ?」
 マスターは聞いた。
「いや・・・・」
 北川は言葉を濁した。
 マスターは北川の曖昧な態度を見て、
「そんなに簡単に遣れるもんじゃねえさ」
 と、ぽつりと言った。
 諭すともなく、呟くともない言い方だった。
 
 北川はマスターが席を外した隙に言った。
 「明日の夜、俺と鳥越で来るからシャッターを開けて置いてくれよ」
  修二が返事をする間もなくマスターが戻って来た。
  翌日の夜、修二が二階へ上がるとすぐに北川と鳥越が来た。
  名前を呼ぶ北川の声が聞こえて修二は階段を降りて行った。
 鎧戸を開けると、
「おお、悪りいな」
 北川が軽く右手を上げて挨拶した。
 二人は中へ入り、修二はすぐに鎧戸を降ろした。
「俺達、ブラックキャッツのリーダーの動きを掴んで来たんだ」
 部屋へ入るとすぐに北川は略図を書いた裏白の広告紙を広げた。
「光本って言うのが奴の名前(めえ)で牛乳工場に勤めてるんだ。月水金が遅番って言うのか、夜の十一時過ぎに境川駅に降りるんだ。そっからアパートまで歩いて帰(けえ)るんだけっど、十三分ぐれえの間だ。途中、五分ぐれえは商店街を通るんだけっど、その通りを抜けると後は公園みてえな処があって、片側はゴム工場の高いコンクリートの塀が続いてる。夜はほとんど人が通らねえんだけっど、奴は近道なもんで本通りを通らねえで何時も此処を通って帰(けえ)るんだ。奴の足で七、八分ってところだ。それから左へ曲がって五、六分で奴のアパートに着く。ーーこの工場と公園の間の通りで遣ろうって思うんだ。俺達が奴の様子を探って合図する。その合図で公園を出て行って道を聞く振りをして奴に近付き、一気に刺す。刺したらまた、公園の中に逃げ込んでそのまま、公園の反対側に居る俺達の車に乗って逃げるんだ。勿論、監視カメラには充分注意するし、公園の中には樹がいっぺえ繁ってっから身体を隠すのには絶好の場所なんで心配えはねえ、と言う訳んだ。そっで前えにも言ったようにそれをお前えに遣って貰いてえんだよ」
 北川は顔を上げ、修二を見詰めて言った。
 既に、総てが決まっているかのような北川の言い方に修二は腹を立てたが、怒りの感情を抑えたまま、
「だけど俺、遣るなんて言って無いよ」
 と、静かに抗議した。
「それは分かってるよ。分かってて頼むんだよ」
 北川は言った。
「でも、前にも言ったけど駄目だよ。チームの他の人に遣って貰ってよ」
 修二は言った。
 北川はそんな修二に苛立ちを募らせた。
「お前えも全く話しが分かんねえな。前えにも言った様にチームの連中じゃ面(つら)を知られちゃってっから拙いんだよ。その点、お前えなら面(めん)も割れてねえし、都合が好いんだよ。そっだから頼むんだ。勿論、その為には変装用の眼鏡も用意するし、野球帽も用意するよ。帽子を被って眼鏡を掛ければ誰だか分かりはしねえよ」
 焦(じ)れったそうに北川は言った。
 修二は黙っていた。
 どう考えてみても自分に取っては理不尽な要求にしか思えなかった。
 それでも北川は重ねて、
「お前え、ナイフをかっぱらった事を警察にチクられてもいいのかよう ?」
 と思いも掛けない、修二に取っては唯一の弱点を口にして睨み付けて来た。
 思いもしなかった言葉に修二は狼狽した。
 その狼狽と共に思わず感情を昂ぶらせて、
「じゃあ、遣るとしたら幾らくれるんだ ?」
 と、挑戦的な口調で、以前にも口にした言葉を再び口にしていた。
 北川は修二の態度に一瞬、たじろぐ気配を見せたがすぐに気持ちを切り替えて、
「二十万出すよ」
 と言った。
 身を乗り出す気配さえあった。
 修二はだが、そんな言葉もすぐには受け入れられなかった。
 少しでも北川の理不尽に抗いたかった。
「駄目だよ、そんな金じゃあ出来ない」
 突き放すように言った。
「じゃあ、幾ら欲しいんだ ?」
 北川は不満そうだった。
 修二は答えなかった。
 元々、無理強いの要件だった。過去に於いても経験のない事だった。
 はい、これです、と即座に答えられるものではなかった。
 修二が躊躇っているのを見ると北川は、
「じゃあ、あと十万出すよ」
 と言った。
    修二はやはり黙っていた。
 総てが修二に取っては未知の世界の話しだった。ただ、三十万と言う金額はこれまでこの店で貰う五万円の給料の外、今まで考えてみた事も無い金額だった。それが巨大な金額に思えた。
 これだけの金があれば何んでも出来る気がした。
 修二の心は揺れた。
 北川は修二のそんな心の揺れを逸早く見抜いた様子で、
「な、そっで、 いいだろう ?」
 と言った。
 修二は釣られて、
「うん」
 と言っていた。
 北川は修二の頷く様子を見ると途端に顔をほころばせた。
「よし ! これで決まった」
 と言って鳥越を振り返った。
 鳥越は黙ったまま頷いた。
「だけど、三十万は遣る前にくれよ」
 修二は言った。
 騙されたくはなかった。
「勿論、遣るよ。ただ、これはマスターには内緒にして置いてくれよ」
 マスターの不興を買うのを怖れる様に北川は言った。
「うん」
 修二は言った。
 自身としてもマスターに知られたくはなかった。
 総てを秘密裏に行いたかった。
 
 北川は、相手を殺すまで遣らなくてもいい、と言った。
「殺すとかえって面倒な事になる。ただ、なんとしてでも傷め付けてやりてえんだ。そっでなければ気が収まらねえからなあ」
 修二の仕事が休みの水曜日、夜八時過ぎに北川が運転する車で現場の下見に行った。




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             takeziisam様


              今回も楽しく拝見させて戴きました
             笑いあり 美しさあり 懐かしさあり
             九重山の思い出 良い思い出ですね それにしても
             忙しいと言いながらあちこち 随分 足を運んでいらっしゃる
             充実したこれまでの人生だったのではないでしょうか
             お互い もう無理の利かない年代 思い出の中に生きるより
             仕方がありませんね どうぞ これからもお身体に気を付けて下さい
             このブログが何時までも続く事を願っております
              坊がつる讃歌 なんだか元歌の方に心惹かれました
             歌っている方がどんな方か分かりませんが 哀愁を帯びた
             良い歌い方だと思いながら聴いていました 声も良いですね
             以前 フォレスタの歌で聞いた時もこの歌の良さを再認識しましたが         
             その時の感情が蘇りました
              民謡 南部牛追い唄 秋田音頭 わたくしの母が民謡が好きで
             ある流派の名取りになったぐらいです ですから民謡を訪ねてーーNHK番組など
             一緒によく聞きました 
             母はいろいろな大会に出場して数々の優勝トロフィーを持っています
             今もわが家の三段の棚に飾ってあります 
             元NHK会長だった春日由三氏の名前の入った賞状もあります
             ブログにある牛追い歌は原曲ですね 一般的に歌われるのは少し節回しが
             違う所があます これと九州の 刈り干し切り唄
             わたくしの好きな民謡です
              秋田音頭 日劇にミュウジックホールがあった頃
             そこで若いダンサーたちがこの歌を唄った事をふと思い出しました
             若いヌードダンサー達と民謡 そのアンバランスの面白さ
             聴きながら思い出しました
              イノシシよ そこまで遣るか !
             遣り過ぎだぞ 思わず笑いながら拝見しました
             当事者としては笑い事ではないよ と言いたいところですね
             いろいろ楽しく拝見させて戴きました
              有難う御座います




























   

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