この辺り、都内23区、T区I。日本でも有数の繁華街である。
最近の夜は、パトカーが頻繁に巡回している。一年ほど前大立ち回りをした挙句、その犯人をその場で検挙したのを直接目撃したことがある。フリーターのような30歳前後の若者は、羽交い絞めにされる寸前、白い粉末状のものをばら撒いた。それを、警官が道路に顔をくっつけてその物質を探している姿が印象的だった。覚せい剤だったらしい。恐ろしい!!!
まだ昼間。
会社の近くの交差点での出来事だった。そこには交番もある。
一人の中年男が、三人の警官に取り囲まれ押し問答をしている。
深い意味があったのか、なかったのか、警官は車に戻ってきた男に声をかけた。男はやけにおどおどする。免許書の提示を拒んでいる様子。
交番のそばに駐車していている車、不審に思って警官が職務質問をしているという光景だった。
その男、何気に、容貌はヤ○ザさん。
「関係ないだろ、俺は何もしてねー、免許書なんか出す必要ねーべ!!」
どこか、ほのぼの方便……。
男は無視して車に乗り込もうとする。警官はそれを阻止するべく懸命に押さえ込む。
それでも男は強引に車に乗り込んだ。
違う警官が車の前方に行き車の前に立ち塞がる。
そのやりとりを、私を含めて10人くらいが固唾をのんで見守っている。
すると、交番から一人の警官が出てきて、いいから、と言って逃走させてしまった。
どうなってるんだ? 呆気にとられる。ふーむ、昨日の昼飯前のことだった。