交通整理のおばさんが、横断歩道で子供たちを旗でもって静止させていた。帽子をかぶった小学生が6~7人、規則正しく並んで待っている。
信号が青になり、渡れという合図の旗を動かした。子供たちはぺちゃぺちゃしゃべりながら渡っていった。
町の中にあるよくある光景だった。
だった、のだ。
これもよくある光景なのだが、次に信号が赤に変わった。
自分の仕事が今ので終わったのか、その瞬間、左右を見て車が来ていないのを確かめるなり、赤信号を無視して小走りに渡っていった。
信号で立ち止まったオバサンが「ちょっと、赤でしょう」と大声で、交通整理のおばさんを注意していた。