田中雄二の「映画の王様」

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『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』

2019-10-01 10:04:58 | 男はつらいよ
『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(88)(1989.1.14.松竹セントラル2 併映は『釣りバカ日誌』)
 
 
 久々に寅さんが大人の恋愛をするという前宣伝と、はやりのサラダ記念日を組み合わせた企画ということで、新味があるかもしれないと期待したが、やはり古き良き?山田洋次の世界であり、これでいいのだという気持ちと、果たしてこのままでいいのだろうか、という思いが相半ばするという、複雑な心境を抱かされた。
 
 もはや寅さんに新しいものを求めても仕方ないとは思いつつも、やはり見続けていくには何かプラスアルファがほしい。そして、渥美清はじめ、レギュラー陣の老いが目立つだけに、それに代わる存在として浮上きたのが、さくらの息子、満男である。
 
 満男役が吉岡秀隆に代わってから、山田洋次はかなり満男を意識しながら作っている気がするし、今回も、本筋の三田佳子演じる女医と寅さんとの恋愛と並行して、満男の将来を予感させるような、大学生たちの学生生活の様子を描くことにかなりのウエートがしめられていた。くるまやの面々が老いていく中で、一人大人へと成長していく満男と寅さんとの絡みが、今後のシリーズを支えていくことになるのかもしれない。そんな気がした。
 
 今回のもう一人の主役ともいうべき老婆を演じた鈴木光枝が抜群。北林谷栄と並んで、若い頃から老け役をやってきた人だから、その蓄積と実年齢が重なった今は、もううまい下手では片づけられない境地に達していると言っても過言ではない。役者もここまでくれば無敵だ。
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あしたのためにその1

2019-10-01 09:16:05 | ボクシング
 
 運動不足解消のため、ボクシングジムに通うことにした。初回は左ジャブから右ストレートのワンツーを習う。予想通り、実際にやってみるとこれがなかなか難しい。やはりボクサーはすごいと改めて実感させられた。これからボクシングの試合を見る時は、野次など飛ばせなくなるなあ。「あしたのジョー」で丹下段平が少年院にいる矢吹丈に、はがきで通信教育をする「あしたのために」を思い出す。あれはなかなか理にかなっていたのだ。そして、今の自分は多分段平よりも年上だ。
 
 「あしたのためにその1 ジャブ」攻撃の突破口をひらくため、あるいは敵の出足をとめるため、左パンチをこきざみに打つこと。このさい、ひじを左わきの下からはなさぬ心がまえで やや内角をねらい、えぐりこむように打つべし。せいかくなジャブ三発に続く右パンチは、その威力を三倍に増すものなり。
 
 「あしたのためにその2 右ストレート」左ジャブで敵の体勢をくずし 突破口を見いだせば すかさず 右ストレートを打つべし これ、拳闘の攻撃における基本なり。右ストレートは 右拳に全体重をのせ、まっすぐ 目標をぶちぬくように打つべし。このさい、打ったコースと同じ線上を同じスピードでひきもどすこと。一発でKOをうむ必殺パンチなり。
 
(2005.4.5.)
 テレビのボクシング中継に熱中していた時期があった。その始まりは、小学生の頃に見たファイティング原田がライオネル・ローズに敗れた一戦、1968年のことだ。忘れ難い試合としては、大場政夫のラストファイトとなったチャチャイ・チオノイ戦、あるいはその前のオーランド・アモレス戦。柴田国明とベン・ビラフロアの2試合、あるいはラミロ・ボラニョス戦。強打の怪物ルーベン・オリバレスに金沢和良が挑み、散った衝撃のファイト。輪島功一の2度のリターン・マッチ(オスカー“ショットガン”・アルバラード、柳済斗戦)。具志堅用高がリゴベルト・マルカーノを芸術的にKOした一戦。渡辺二郎とパヤオ・プーンタラットの王座統一戦。浜田剛史がレネ・アルレドンドを1ラウンドKOで破り王座に就いた一戦…などが思い浮かぶ。
 
 また、モハメド・アリ、あるいはマイク・タイソンをめぐるヘビー級のさまざま。ロベルト・デュランやマービン・ハグラー、トーマス・ハーンズ、シュガー・レイ・レナードたちの闘いなどにも熱中したものだった。
 
 
 
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