『バック・トゥ・ザ・フューチャー』シリーズでタイムマシンに改造されて登場し、世界的に有名になったデロリアン。この伝説的な車を作った男ジョン・デロリアン(リー・ペイス)の物語を、実話を基に映画化した。果たしてデロリアンは詐欺師だったのか、それとも天才だったのか…。
監督のニック・ハムと脚本のコリン・ペイトマンは「複雑なデロリアンの人生の一部、一定の時間だけに焦点を合わせて伝記映画を作ろうと考えた」という。そして、舞台を1977年前後のカリフォルニアに絞って、実業家、ペテン師、FBI、麻薬ディーラーが入り乱れる、一種のブラックコメディに仕立て上げた。
加えて、この映画のユニークな点は、デロリアン本人ではなく、彼の隣人でFBIの情報提供者だったジム・ホフマン(ジェイソン・サダイキス)との関わりを中心に描いているところ。だから、サダイキスが「この映画は、デロリアンとホフマンのラブストーリーともとれる」と語るように、2人の不思議な友情物語として見ることもできるのだ。