うっ・・・うん。そっそうね。いい御葬式だったわ。西さんはクリスチャンだったから、ご葬儀は教会であったのよ。」
「へぇ~。そうなんだ。そういえば結婚のご挨拶に伺った時、そんな感じがしたなぁ。」
「あの時にわかったの?」
「うそうそ。分かるわけないじゃん。」
小さな食卓に笑いが広がる。そんな時、私はとても幸せを感じるのである。
「でもね。葬儀に行ったおかげでいろいろ思い出しちゃった。最初に出合ったのが高校生の時で・・・。それからだからもうかれこれ16年位でしょ・・・。」
私は優一に小さなウソをついている。「地球屋」を見つけたのは中学生で、それは鈍感だった私が彼を傷つけた頃だ。そして「地球屋」に天沢君が関わっていることも告げていない。
「やっぱり思いだすことが多いよ。」
「ふ~ん。」
「そうだ! もし優一が高校時代に付き合っていた彼女と今再会したらどうする?」
「おっ、なんだ、その意味深な質問は。さては高校時代の恋愛でも思い出したかぁ。」
うっ。浅はかな質問だった。ここは平静を装ってやり過ごすしかない。そうだ、こういう時は登志子さんをイメージ。
「別に深い意味はないんだけれど。なんとなく高校時代の頃を思い出しちゃってね。で、どうする。」
うん。我ながら完璧。
「う~ん。彼女は野球部のマネージャーだったからね。やっぱり最後の試合の話で盛り上がるんじゃないかな。あれは本当に語り継がれる試合だった。当時のナインもきっとそう思っているはずだよ。 あっ。話がそれたね。たしか、彼女は結婚したって聞いたけど、どうしてるかなぁ。元気でいるといいんだけれどね。」
そうだ。彼は野球選手が夢だった。だから恋愛にはそれほどこだわってないのだろう。この質問は失敗だったかもしれない。
「でも・・・。」
「でも?」
「もし、もう一度付き合ってくれって言われたら、ちょっと気持ちが揺らぐかもしれないなぁ。綺麗な子だったから、更に綺麗になってんだろうなぁ。」
「あっ。浮気発見。この後のビールは出しません。」
「え~っ。うそうそ。嘘です。雫さんすいません。この通り。だからビール飲ませてください。おねがいしますぅ~。」
両手を合わせて拝む彼。かわいい奴と思いながらも、私の心は少し痛みを感じていた。
「へぇ~。そうなんだ。そういえば結婚のご挨拶に伺った時、そんな感じがしたなぁ。」
「あの時にわかったの?」
「うそうそ。分かるわけないじゃん。」
小さな食卓に笑いが広がる。そんな時、私はとても幸せを感じるのである。
「でもね。葬儀に行ったおかげでいろいろ思い出しちゃった。最初に出合ったのが高校生の時で・・・。それからだからもうかれこれ16年位でしょ・・・。」
私は優一に小さなウソをついている。「地球屋」を見つけたのは中学生で、それは鈍感だった私が彼を傷つけた頃だ。そして「地球屋」に天沢君が関わっていることも告げていない。
「やっぱり思いだすことが多いよ。」
「ふ~ん。」
「そうだ! もし優一が高校時代に付き合っていた彼女と今再会したらどうする?」
「おっ、なんだ、その意味深な質問は。さては高校時代の恋愛でも思い出したかぁ。」
うっ。浅はかな質問だった。ここは平静を装ってやり過ごすしかない。そうだ、こういう時は登志子さんをイメージ。
「別に深い意味はないんだけれど。なんとなく高校時代の頃を思い出しちゃってね。で、どうする。」
うん。我ながら完璧。
「う~ん。彼女は野球部のマネージャーだったからね。やっぱり最後の試合の話で盛り上がるんじゃないかな。あれは本当に語り継がれる試合だった。当時のナインもきっとそう思っているはずだよ。 あっ。話がそれたね。たしか、彼女は結婚したって聞いたけど、どうしてるかなぁ。元気でいるといいんだけれどね。」
そうだ。彼は野球選手が夢だった。だから恋愛にはそれほどこだわってないのだろう。この質問は失敗だったかもしれない。
「でも・・・。」
「でも?」
「もし、もう一度付き合ってくれって言われたら、ちょっと気持ちが揺らぐかもしれないなぁ。綺麗な子だったから、更に綺麗になってんだろうなぁ。」
「あっ。浮気発見。この後のビールは出しません。」
「え~っ。うそうそ。嘘です。雫さんすいません。この通り。だからビール飲ませてください。おねがいしますぅ~。」
両手を合わせて拝む彼。かわいい奴と思いながらも、私の心は少し痛みを感じていた。