夢見るタンポポおばさん

富士山麓の風景、花の写真。エッセイ。

テレビの思い出

2011-07-26 21:37:21 | 日記・エッセイ・コラム

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日本のテレビ放送と私は同い年らしい。

大相撲の朝潮が活躍している時代。

テレビは、田んぼ一枚と同じ金額の高価な買い物だったらしい。

田んぼは売っていないと思うけれども、私の育った家には、テレビがあった。

『工面が良い家』だったらしい。

祖父が大相撲を見ていたのがテレビの一番古い記憶だ。

テレビには良い思い出が全く無い。

嫌な思い出ばかりだ。

上に兄が三人もいたので、幼い私にチャンネル権は全く無し。

プロレス。西部劇。ボクシング。?

見ていないから知らない。

嫌だったのが、夕飯を食べた後兄の同級生や、近所の人たちが、家にテレビを見に来ること。

農作業に一日中精を出し、夕飯を食べようという時に大勢の人が押しかける。

母は、また一仕事。

サツマイモの蒸かしたのや、トウモロコシ、スイカなど色々出してもてなしていた。

勿論後片付けもする。

幼い私は、母に今日の出来事を話したくてたまらないのに、テレビのおかげでゆっくり家族団欒が出来ない。

「テレビはおかずじゃない。」と祖父は良く言っていた。

家にテレビがあるのに、テレビが無い家の子より、テレビ番組のことを知らない子だった。

テレビには、ミシンカバーと同じような織物のカバーが掛けてあった。

家の中心のお仏壇の前に四本足で立っていたテレビ。

まさか、テレビの中に写るなんて当時の私は全く想像していなかった。