三十日(みそか)三十夜(みそよ)はわがもとに……
蜻蛉日記の著者
藤原道綱の母
なげきつつひとりぬる夜の
あくるまは
いかに久しきものとかは知る 百人一首より
作者20才の十月。前年求愛されて結婚した夫との間に八月。道綱誕生。
九月。夫兼家が町の小路の女のもとに通う。
ある夜、夫兼家来訪。拒絶して、翌朝夫に送った歌。
自照文学
じしょうぶんがく
日記、随筆などのように、自己反省・自己観察の精神から生活体験を主体的に叙述した文学。
蜻蛉日記は日本の女流文学の先駆けです。
藤原兼家の妻 として女の幸せを深く求めても叶えられずに嫉妬で悶々とした日々を送りながらも、兼家とのかすがい、
息子道綱の母として次第に落ち着きを取り戻して行く心の軌跡を、見事な和歌と文章で綴った日記です。
古から、古今東西、権力者の周りには、正妻の他に沢山の妻たち。
好色家の周りには大勢の女性。
現代の不倫…
何時の時代も、老いも若きも女性の悩みは変わらないようですね……
三十日 三十夜は我がもとに……と書いて夫兼家に届けたのは、作者が34才の一月です…
才色兼備の女性だったようです……
更科日記の作者菅原孝標(すがわらのたかすえ)の娘は、姪になります。