タイトル「死に支度」で、
ぎょっとしましたが、妻の薦めでも有り、
もう10年もすれば考えなきゃならないテーマーだけに、
内容に興味深々、2014年7月の新刊書。
比較的具体的内容が多く、一気に破読してしまいました。
寂聴先生92歳と言うお年をむかへ
50年間余も仕えた用人や秘書などすべて
身の立つ様にして解雇、
今、28歳の才女秘書との二人暮らし(京都北野の「寂庵」)。
「朝、目を覚ますと又今日も生きていたか、うんざりする」
「今は何時死んでも不思議で無いと思っています」と。
著名な老作家が、サインを求められ姓を書いたが名のほうがが出てこなかった実話、
また、ある老作家は、昨年出した原稿を悪意なくそっくり今年も出した実例など、
先生の知る秘実話。
そこで曰く「死ぬのは怖くは無いがボケるのが恐ろしい」。
すでに、棺おけに入るときの死出装束の準備、
「これから働かないと、あと幾年生活できるの?」と
「ギネスブックに載るほど長生きされても大丈夫です」との、秘書氏とのやりとり。
われわれ俗人が考えることなど、多々。
最期は、先生曰く、
「春が過ぎてから啼くウグイスを、老鶯(ろうおう)と言うのよ、
声もしっかりしていて、いい声でホーホケキョと、はっきり鳴くでしょう」
とは、自分のことを言っていらっしゃるのでしょう、
瀬戸内寂聴92歳、
まだまだ、お元気の様子。
面白いので、お勧め。
数日前の朝日新聞朝刊に書評が乗っていますが、
私とは全然違ったプロの論評もまずまず。