鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第894回】 耳触りの良い言葉を鵜呑みにしない

2013年06月12日 | 住宅コンサルタントとして
昨日のブログの続きなのですが、

・残業時間を無くし、休日を多くしたら業績が上がる
・経営者や社員さんがやりたいことをやれば、業績が上がる
・社風を良くしたら、業績が上がる
・朝礼や会議のやり方を変えたら、社員さんのやる気があがり、業績が上がる
・優秀な新卒を採用したら、業績が上がる

というような考え方に、私は違和感を感じます。

確かに素晴らしい業績を上げておられる企業さんは、上記のことを一部、もしくは全て実施されています。
だから、短絡的に見れば、上記のことをやってみれば、業績が上がると思う人もいるでしょう。

でも、もっと本質的な部分に目を向けるべきだと思うのです。

例えば、スポーツ選手で、長きにわたって活躍している人は、
皆、猛烈なトレーニングをやっています。

イチロー選手は、24時間365日、トレーニングをしていると言っても過言では無いでしょう。
引退した阪神の金本選手や、今もまだ活躍している中日の和田選手や山本昌選手は、
40歳を超えて、信じられない量のトレーニングをされています。

そして体を鍛えるだけでなく、野球に対する考え方も素晴らしいのです。

そうした能力も人間性も素晴らしい方が、猛烈なトレーニングや事前準備をおこなっているからこそ、
長きにわたって活躍できる、ということが物事の本質なような気がします。

そして、ある一定のレベルになると、そのトレーニングや準備が苦痛でも無く、
無理なく自然に、そして外から見ると気持ち楽しそうに出来るようになる、ということなのではないか、
と個人的に思っています。

そしてそういうレベルの選手が、トレーニングばっかりやっていても気が滅入ってしまうので、
しっかりとオンとオフを切り替えて、リフレッシュもしないとダメ、とか
ゴルフがすごく好きだから、オフの日はゴルフも思う存分やっている、というようなことを言うのです。

そういう話を聞いて、実力も伴っていない若手が、その言葉尻だけを捉えて、

「やっぱ、オフも大事だよね!」
「自分がやりたいことは、やらないと!気分も滅入っちゃうしね!」

というような考えを持ってしまうと、勘違い人間が出来上がるような気がするのです。

私が知っている限り、成功している方で量稽古をやってこなかった方は一人もいません。
皆、猛烈な量の仕事をされてきています。

オフはもちろんとられますが、オフの時も仕事につながることを無意識に考えていたりします。
だから、体は休んでいても、頭の中はオンなのです。

そして、ある一定のレベル以上になって、はじめて仕事が楽しくなる。
更にスピードが一気に上がり、早く帰れるようになり、
残業も減り、休みも取れるようになる、という方がしっくりきます。

しっかりとトレーニングを積み、能力も人間性も高くなった人が、
はじめて自分の時間も持てるようになるし、休みも取れる。
そしてそういう人こそが、本当にやりたい仕事を任せてもらえるようになる。

実力が伴わない人が、

「残業が多いから辞めます」

とか、

「自分がやりたい仕事ではないから辞めます」

とか言っているのは、チャンチャラおかしいと思います。

成功している企業やビジネスパーソンの一見見えない部分も理解したいものです。
コメント
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