鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2984回】 本当の意味でのお客様第一主義とは・・・

2019年03月02日 | 住宅コンサルタントとして

外から見れば、非常に業績が好調で、

かつ借入等も無く、経営内容が盤石に見える会社。

 

トップ自ら、いろんなメディアにも出て、

ブランディングにも力を入れていて、

複数店舗展開をしている会社。

 

業界内ではとても成功しているように見えても、

実は現場は結構大変、ということをある方から教えていただきました。

 

というのは、お客様を第一に考えるということを

営業系やコーディネーターさんが勘違いされているようで、

年間150棟以上の現場をこなされているのに、

着工前に全ての仕様を確定されていないようなのです。

 

工事が進みながら、仕様が決まっていく。

 

すると、現場は混乱し、職人さんたちはやり直し工事等が発生する訳です。

 

でも、予算は決まっていますから、

職人さんたちは追加の手間代を全てもらえる訳ではない。

 

結果、この会社の仕事をやりたくない、という大工さんが続出し、

現場監督が職人さんの手配でかなり困っている、とのこと。

 

もう数年し、職人さんの数が激減すれば、

おそらく現場が回らなくなるであろう、とのことでした。

 

お客様を第一に考える、ということは、とても重要な考えです。

 

でも「お客様第一」と「お客様の要望を何でもお聞きする」ということは、

同じ意味ではありません。

 

家づくりを実際に進めると、お客様はいろんなことを決断しなければなりません。

 

土地をどこにするのか?

住宅ローンはどの金融機関のものにするのか?

自己資金をどこまで入れるのか?

間取りはこれでいいか?

外壁や屋根の色、床や壁の色や素材、水まわりなど、

仕様面でどんなものを採用するのか?

 

この決定しなければならないことが多すぎて、

お客様が悩まれることが多々、あるでしょう。

 

でも年間50棟以上を目指すのであれば、

着工前に全ての仕様を確定させる、ということを

徹底しなければ、結局、最後にはお客様に迷惑をかけることに・・・。

 

着工前に全ての仕様が確定し、

現場に乗り込む前に図面を頭に叩き込み、

最も効率よく仕事を進めたい、と一流の職人さんは考えます。

 

それが、コロコロ現場で変わったりすると、

腕の良い、引く手あまたの職人さんは他社に気持ちが移ってしまう・・・。

 

結果、最後はお客様のためにならないのです。

 

お客様を最優先に考えることは、とても重要ですが、

その考えが浅く、ただ単にお客様の要望に応えるだけでは、

真のお客様第一主義にはなりません。

 

皆さんの会社では、お客様第一主義ということの本質を

しっかりと考え、定義づけすることが出来ていますか?

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