鬼山竜也の住宅業界 商売の王道

良い家づくりに真剣に取り組んでいる方々が、お客様のためにより良い仕事が出来るようになるためのヒントになれば、嬉しいです。

【第2986回】 売る商品と売る顧客が変わる

2019年03月04日 | 住宅コンサルタントとして

建築資材を住宅会社に販売してきた建材店・サッシ店・木材店。

 

この業界は、今、本当に苦しんでいます。

 

というのは、売り先である住宅会社の

市場における優劣がかなりはっきりしてきて、

ユーザーから受注できる会社がかなり限定されてきたからです。

 

昔のデータで言うと、日本で家が100建つとすれば、

大手が建てる割合が10くらいで、残り90が中小という感じ。

 

ところが、現代では

全国大手+地場大手(地元で100棟以上やっている)の比率が

感覚的に言うと35%程度はあるような気がしますし、

年間30棟~100棟程度やっている中堅ビルダーを入れると

市場全体の80%近くを占めているような感じです。

 

これ、何を意味するのかというと、

これまで売り先が100社あったとしたら、

現代では30社程度しか売り先が無い、ということを意味します。

 

売り先の数が減り、1社あたりの購買量が増えた。

 

ということは、1社獲得すれば、売上が伸びますが、

1社落とせば大幅に売上がダウンすることとなります。

 

そしてどの売り先も、商品の仕入れには困っていなくて、

工事というか、職人さんに困っているということになるのです。

 

ですから、建築資材を販売する会社は、

これまで販売していたモノではなく、

これからは工事を販売していかなくてはならない。

 

その工事を担う職人さんは、過去、商品を買ってもらっていた、

個人大工さんであったり、小さな工務店の大工さん。

 

すなわち、これまでモノを買ってもらっていた先から手間を仕入れ、

これまでなかなか相手にしてもらっていなかった大手に

販売する時代なのです。

 

市場の構造が変わるということは、

売る商品や売る対象が変わるということ。

 

更に言うと売り方やマーケティング、配送方法も変わるということ。

 

これはいろんな業界に当てはまると思います。

 

だから固定概念が強く、

売る商品も売り先も柔軟に変えていけない経営者や企業が

時代の変化に適応できなくなっていくのです。

 

固定概念で頭がガチガチにならないよう、常に柔軟に発想したり、

市場の流れを俯瞰して見られるようにしておきたいものです。

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