建築資材を住宅会社に販売してきた建材店・サッシ店・木材店。
この業界は、今、本当に苦しんでいます。
というのは、売り先である住宅会社の
市場における優劣がかなりはっきりしてきて、
ユーザーから受注できる会社がかなり限定されてきたからです。
昔のデータで言うと、日本で家が100建つとすれば、
大手が建てる割合が10くらいで、残り90が中小という感じ。
ところが、現代では
全国大手+地場大手(地元で100棟以上やっている)の比率が
感覚的に言うと35%程度はあるような気がしますし、
年間30棟~100棟程度やっている中堅ビルダーを入れると
市場全体の80%近くを占めているような感じです。
これ、何を意味するのかというと、
これまで売り先が100社あったとしたら、
現代では30社程度しか売り先が無い、ということを意味します。
売り先の数が減り、1社あたりの購買量が増えた。
ということは、1社獲得すれば、売上が伸びますが、
1社落とせば大幅に売上がダウンすることとなります。
そしてどの売り先も、商品の仕入れには困っていなくて、
工事というか、職人さんに困っているということになるのです。
ですから、建築資材を販売する会社は、
これまで販売していたモノではなく、
これからは工事を販売していかなくてはならない。
その工事を担う職人さんは、過去、商品を買ってもらっていた、
個人大工さんであったり、小さな工務店の大工さん。
すなわち、これまでモノを買ってもらっていた先から手間を仕入れ、
これまでなかなか相手にしてもらっていなかった大手に
販売する時代なのです。
市場の構造が変わるということは、
売る商品や売る対象が変わるということ。
更に言うと売り方やマーケティング、配送方法も変わるということ。
これはいろんな業界に当てはまると思います。
だから固定概念が強く、
売る商品も売り先も柔軟に変えていけない経営者や企業が
時代の変化に適応できなくなっていくのです。
固定概念で頭がガチガチにならないよう、常に柔軟に発想したり、
市場の流れを俯瞰して見られるようにしておきたいものです。