デザイン住宅でそれなりに名が通った会社の建物を見ても、
残念なケースも結構あったりします。
設計は抜群。
建物のコンセプト、平面や立面も申し分なし。
でも、素材のセレクトや収まりが微妙だと、
せっかくの設計が全く活かされないということにもなってしまいます。
例えば40坪で5000万円の建物があったとして、
そのグレードの建物で、造作の棚板が化粧合板が使われていたり、
床にカラーフロアが使われていたり、
階段の手すりがメーカー品の丸棒手すりが使われていたりすると、
ちょっとそれって価格帯と合っていないと思うのです。
しかも細部のおさまりも、ちょっと野暮ったいというか、
ローコストメーカーと同じレベルのおさまりだったりするんですね。
地域でそれなりに名前が通っていたとしても、
20代、30代のセンスあるお客様が見たら、
何か違和感を感じてしまうでしょう。
坪100万を超える建物の場合、手すりはアイアンや、
仮に木を使うとしても、木材をかっこよくデザインして手すりにしないとダメです。
床はカラーフロアなんてあり得ないですし、
造作の棚板も無垢材に塗装をしたり、
店舗で使われるような材料をセレクトしないと・・・。
会社として、モノを知らないということを発信してしまっているのです。
こういう事態を防ぐにはどうすれば良いか?
それは経営者だけでなく、設計さんと監督さんを連れて、
とにかくいろんな建物を見まくることです。
自社に勉強好きな設計さんや監督さんがいないとすれば、
それはトップ自らがもっと勉強好きにならなければならないということ。
勉強好きで建築好きなトップの下には
必ず勉強好きな設計さんや監督さんが集まってきます。
そういうスタッフさんと、とにかくホンモノを見まくるのです。
飲食店でも、例えば高級レストランに行って、
トイレが汲み取り式で、手洗いが2ハンドル水栓だったら、
ちょっとあり得ないと思われるでしょう?
昨年、ホテルの予約サイトの一休で、
非常に評価が高いホテルに宿泊しましたが、
部屋に置いてあるティッシュボックスやソファの安っぽさに、
ちょっとあり得ないよなぁ、と思ってしまいました。
オーナーや支配人さんは、残念ながらホンモノを知らないのでしょう。
ホンモノに日頃から触れておかないと、
何が良いのかの決断ができなくなるのです。
住宅会社は、メーカーの機能を有していますから、
そこで働くスタッフさんはホンモノに日頃から触れておく必要があるのです。
ホンモノに触れていますか?